調査・データPanorama Data Insights(パノラマ・データ・インサイト)が7日、世界における車両追跡システムの市場規模は2021年から30年までの間に年率19.5%のペースで拡大し、30年には1099億2000万米ドル(12兆4700億円)に達するとの予測を明らかにした。20年実績の173億5000万円から6.3倍に増加することになる。
車両追跡システムは、GPS(全地球測位システム)や携帯電話ネットワークを利用して、車両の位置を追跡・監視する。遠隔地にある車両の位置特定や監視、車両診断の実行のほか燃料管理やルートの最適化、ドライバーの管理、交通量の管理など、物流をはじめとする多様な業界で導入が進んでいる。
世界の車両追跡システム市場の成長に寄与している主な要因は、車両にひも付いたリアルタイムでの業務管理や燃料管理と輸送会社が直面している安全性とセキュリティの課題解決に向けた取り組みだ。
インテリジェント交通システムの導入や車両接続における5Gの出現、いろいろな形式の移動サービスをひとつの交通手段として統合させたMaaSの利用増加は、市場に成長機会をもたらす可能性があると分析している。
新型コロナウイルスなど感染症の拡大による経済停滞が市場にマイナスの影響を与える恐れが高い。一方で、医薬品や小売など輸送需要は今後も増加傾向にあると想定されることから、その効率的な運用を目的とした車両追跡ハードウェアと管理ソフトウェアの必要性が高まっており、市場にプラスの影響を与えるとしている。