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伊藤忠と西松が資本業務提携、物流開発など強化へ

2021年12月16日 (木)

▲伊藤忠商事が開発した物流施設のイメージ(出所:伊藤忠商事)

M&A伊藤忠商事と西松建設は15日、資本業務提携契約を結んだと発表した。伊藤忠商事は西松建設株を議決権ベースで10.16%保有する、実質的な筆頭株主となる。伊藤忠商事は今回の資本業務提携により、施工機能を加えた建材調達から不動産開発までのバリューチェーンを一気通貫で構築することで、建設業界の優良企業群とのアライアンスを強化するとともに、SDGsや国土強靭化などの社会課題対応に注力していく。

西松建設は国内外で物流施設の開発にも力を入れている。今後は伊藤忠商事との連携強化もテコに、世界的に高まる物流ニーズに対応する基盤を構築していく方針だ。

両社はこれまで、共同での不動産開発事業や工事発注・資機材調達等を通じて良好な協業関係を構築してきた。各社の経営資源やノウハウを結集することによる連携深化が、さらなるシナジー創出につながり、両社の企業価値向上に資すると判断。このたびの資本業務提携に踏み切った。

両社は資本業務提携により、「建設アライアンス構築」「安心安全、脱炭素社会の実現」「循環型不動産事業モデルでの協業」「顧客基盤拡充・競争力向上」の4項目を注力領域に設定。これらを推進することで、両社における中長期的企業価値の向上を実現するとともに、持続可能な社会の発展に貢献していく。

建設アライアンス構築については、現場課題を解決する技術や工法を持つ建設業界の優良企業群との建設アライアンス構築により、業界の省人化・効率化・DX(デジタルトランスフォーメーション)化を共同で推進。安心安全、脱炭素社会の実現では、脱炭素社会の実現や国土強靭化といった社会課題を成長分野と捉え、公共施設・インフラPPPへの共同事業参画や再生可能エネルギー事業の共同取組などにより事業領域を拡大する。

さらに、循環型不動産事業モデルでの協業については、不動産開発・収益不動産への投資・運用を通じた循環型不動産事業を両社で推進することで、西松建設の安定成長基盤を確立するとともに、伊藤忠商事の不動産開発事業のモノづくり力向上による安心安全を強化。顧客基盤拡充・競争力向上策としては、国内外のグループ会社・取引先のネットワークや資機材調達機能、エンジニアリング機能など、両社の持つ顧客基盤や機能を融合することで、両社の事業収益力・競争力や安定性を強化する。