ロジスティクスヤマト運輸(東京都港区)は3日、日野自動車が開発し、現在集配業務の実証実験を進めている超低床・ウォークスルーの小型BEV(バッテリー式電気自動車)トラックについて、早ければ今夏の本格的な導入に向けた検討していることを明らかにした。

▲長尾裕ヤマトホールディングス・ヤマト運輸社長
3日に東京都内で開いた業界紙記者懇談会で、長尾裕社長が明らかにした。ヤマト運輸は、超低床・ウォークスルーの小型BEVトラックの導入により、環境対応のさらなる高度化と作業効率の向上の両立を図る。今後、導入エリアや台数などについて具体的な検討を進める方針だ。
ヤマト運輸は、超低床・ウォークスルーの小型BEVトラック「日野デュトロZ EV」の実用化に向けた実証実験を21年11月に開始。ヤマト運輸の「日野日野台センター」(東京都日野市)と「狭山中央センター」(埼玉県狭山市)で集配業務を対象とした実証実験を半年間実施し、本格導入に向けた各種性能の確認や課題抽出を進めてきた。
日野自動車は、荷物を家庭など受取先に届ける車両として、日野デュトロZ EVを開発。荷物の配送業務により適した超低床構造にこだわった、まさに「物流のラストワンマイル」を意識した車両だ。
ヤマト運輸は、経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」(2020年1月発表)の長期目標として「2050年CO2排出実質ゼロ」を掲げる。環境配慮とともにドライバーにとって実用性の高い低炭素車両の導入を推進する経営姿勢を明確化しており、今回の取り組みもその一環だ。