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日野の1Qは排ガス不正響き大幅減益、黒字は確保

2022年7月28日 (木)

財務・人事日野自動車が28日発表した2022年4–6月期連結決算(23年3月期第1四半期決算)は、売上高が前年同期比3.6%増の3558億5600万円、本業のもうけを示す営業利益が73.3%減の43億1600万円、経常利益が52.5%減の74億6900万円、親会社株主に帰属する四半期純損益が88.6%減の7億2300万円の増収減益決算となった。排ガス・燃費不正による出荷停止と世界的な半導体の供給不足による生産減少が響き、利益を圧縮したが、東南アジアを中心とする海外販売の回復で増収・黒字は確保した。

日野はことし3月、国内市場向けトラック・バス用エンジンの排出ガスと燃費に関する認証手続きで不正行為が見つかり、対象車種の出荷停止に追い込まれている。これに関連して、部品メーカーなどへの補償損失19億9700万円を今回の四半期決算の特別損失に計上した。

同社は23年3月期通期の業績予想について、今年4月の前期の決算発表時に続いて開示を見送った。「不正行為の対象となった車種の出荷再開を見通すことが困難であるため」と理由を説明している。

同社の発表によると、第1四半期の国内販売台数は、トラックとバスの総合計で9300台となり、前年同期に比べ31.6%(4300台)減った。エンジン認証に関する不正行為による出荷停止の影響のほか、世界的な半導体不足による車両生産遅れの影響で供給が滞ったことも響いた。バスについては、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う観光需要の落ち込みも影響した。一方、海外のトラック・バス市場が東南アジアを中心として回復基調にあったため、同社の海外販売台数もトラック・ バス合計で2万7800台と前年同期に比べ20.8%(4800台)増えた。この結果、日野ブランドのトラック・バスの総売上台数は3万7100台となり、前年同期比で1.3%(500台)増えた。