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日本郵船、コンテナ船事業など堅調で通期上方修正

2022年11月4日 (金)

財務・人事日本郵船は4日、2023年3月期連結業績予想を上方修正すると発表した。7月21日に公表した前回予想数値について、売上高を2兆5000億円から2兆7000億円、営業利益を2500億円から2700億円、経常利益を1兆400億円から1兆1100億円、最終利益を9600億円から1兆300億円にそれぞれ引き上げた。

定期船事業におけるコンテナ船部門は、保分法適用関連会社である「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス」(ONE)の業績について、輸送需要の減退による運賃市況の下落が続くと想定されるものの、通期では高水準の利益を維持。エネルギー事業部門もLNG(液化天然ガス)船や海洋事業で中長期の安定契約を背景に堅調の推移する見通しであるなど、通期で全体的に予想を上回る業績を確保できると判断した。今期における連結業績の上方修正は7月21日に次いで2回目。

日本郵船は4日、2023年3月期第2四半期累計連結決算も発表。売上高は前年同期比29.9%増の1兆3658億7800万円、営業利益は38.5%増の1633億3600万円、経常利益は92.7%増の7653億2900万円、最終利益は71.7%増の7060億5800万円で増収増益だった。

定期船事業は、コンテナ船部門で欧米を中心とした消費財の在庫積み上がりなどから輸送需要が減退。直近のスポット運賃は下落したものの、ONEで上期を通じて高い運賃水準を維持し業績は好調に推移した。北米航路は港湾混雑による減便が落ち着いたものの、前年同期に見られたおう盛な貨物需要は弱まり荷動きが減少。欧州航路でも貨物需要が弱まり荷動きが落ち込んだ。とはいえ運賃水準は、両航路ともに前年同期を上回る水準で推移して業績を牽引した。

航空運送事業は、中国における新型コロナウイルス感染拡大への対応策としてのロックダウン実施や世界的な景気減速、さらには海上貨物の一部が航空輸送に切り替わる動きが弱まったことから、荷動きが減少。ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした燃料油単価の高止まりもマイナス要因となった。こうしたなかで、半導体製造装置の堅調な輸送需要と長期契約に支えられ、運賃は引き続き高い水準で推移。事業全体では増収増益となった。

物流事業は、航空・海上の貨物取扱事業で取扱量が減少。ロジスティクス事業は需要の底堅い一般消費財を中心とした活発な荷動きにより好調に推移した。内航輸送事業はフェリー事業で円安が進む為替やフィーダー貨物運賃高騰によるプラスの影響を受けた。

不定期専用船事業は、自動車輸送部門で半導体不足などによる生産台数の落ち込みが懸念されるなかで配船計画の最適化による需要への柔軟な対応が奏功。ドライバルク部門は世界的な景気減速への懸念による市況悪化で苦戦した。エネルギー事業部門は、大型原油タンカーで米国による戦略石油備蓄の放出をきっかけとした原油価格の下落で、特に米国・中東から欧州・アジア向けの荷動きが活発化した。

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LOGISTICS TODAY編集部
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