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沖縄の国際物流拠点活性化事業、21年度の成果公開

2023年2月3日 (金)

国内内閣府沖縄総合事務局は2日、2021年度「沖縄国際物流拠点等活用推進事業」の成果報告資料をホームページで公開した。新型コロナウイルス禍のため開催できなかった集合形式での報告会の代わりに、実施が完了した8事業について情報を掲載している。

同事業は、国際物流拠点を活用する先進的かつ沖縄の特色を生かしたものづくり事業をはじめ、沖縄で付加価値を付ける物流事業の支援を通じて、県外への搬出製品を増やすことを目指すのが狙い。成果報告資料が公開されたのはイノアックコーポレーション、コーカス、久米仙酒造、まさひろ酒造、オキコ、沖縄海星物産、琉球通運航空、沖縄東京計装の8社。

琉球通運航空の取り組みは、航空輸送のデジタル化・IoT(モノのインターネット)化により、物流情報をつないで新たな供給網を創出するもの。物流拠点のマテハン連携で輸送能力も向上させ、県外や海外への出荷量増加と最適な物流コントロール実現を目指した。


▲琉球通運航空が導入した(左から)空港で自動仕分けを行うマテハン機器、QRコードを活用した伝票ラベル(出所:沖縄総合事務局)

具体的には、タブレットやハンディーターミナル・クラウド型輸送システムを導入。アナログだった物流業務や情報のデジタル化が進み、航空輸送業務の効率化につながったという。

■内閣府沖縄総合事務局ホームページ
https://www.ogb.go.jp/keisan/13049/f-01/kokusaikashien/230202_01

沖縄の国際物流ハブ化、実現に必要な「付加価値で勝負できるビジネス」の確立

2022年5月に本土復帰から50年を迎えた沖縄県。政府は復帰後の沖縄経済に関するさまざまな振興策を講じてきたものの、半世紀を経た今も本土との経済格差は厳然と存在しているのが実態だ。

本土の大都市圏から遠く離れた沖縄は、地域経済をけん引する製造業の発展という観点で見れば、どうしても弱点が目立ってしまう。こうした地理的な弱点を強みにする産業として沖縄県などが活路を見出そうとしたのが、国際物流だ。

沖縄を国際物流のハブとする取り組みを続けてきたのが、ANAホールディングス。しかし21年1月には新型コロナウイルス禍による需要減を受けて、貨物専用機の運航を事実上断念するなど、視界は決して良好ではないようだ。

とはいえ、せっかくの新産業の創生に向けた動きを鎮静化させるわけにはいかない。そんな心意気で新たな取り組みを始める企業が出現している。沖縄総合事務局の沖縄国際物流拠点等活用推進事業の成果報告資料からは、そんな意欲が伝わってくる。

沖縄というブランド価値を武器とした事業展開を加速することにより、国内外に競争力の高い製品を送り出したい。それが沖縄経済を持続的に成長させる起爆剤になっていく。高い付加価値を追求するビジネスモデルを観光業とともに確立していく取り組みは根付くのか。今後の動向に注目したい。(編集部・清水直樹)

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