国内中部運輸局が19日発表した一般貨物自動車運送業者に対する行政処分状況によると、12月は車両停止以上の違反となった2件を含む6社を処分した。
車両停止以上の処分となったのは次の通り。
事業者 | 所在地 | 処分内容 | 監査の端緒 | 違反件数 | 違反点数※ |
---|---|---|---|---|---|
馬場運送店(豊川営) | 愛知県豊川市 | 車両停止(10日間)、文書警告 | 交通違反 | 6件 | 1/1 |
野呂水産運輸(本社営) | 三重県四日市 | 車両停止(30日間)、文書警告 | 通常監査 | 11件 | 3/3 |
24問題で、運送業者の淘汰進むか
2023年に倒産した企業の多くは、コロナ期に給付された資金を元に経営を見直し、ポストコロナへの備えが十分にできなかった企業だという。そのうちの少なからずの企業はコロナ禍以前から経営が思わしくなく、結局の所補助金は少しばかりの延命に費やされた形である。
24年4月からはいわゆる2024年問題が始まるわけだが、多くの企業でそれへの対策が行われている。ドライバーの労働時間が短くなることに伴う、ドライバー不足への対応がその対策の1つであるが、それはつまり、短縮されたドライバーの労働時間の厳格な管理と一体になったものである。新しい法制度に応じてドライバーの労働時間を管理し、その上で、滞りなく物流を回していくことは、荷主、運送業が一体となって取り組まないと成し遂げられないだろう。
そうした物流業界をあげた取り組みが進む一方で、点呼や運行の記録を取らず、ドライバーの健康管理も十分にできていない運送業者がいる。こうした業者が、24年4月1日以降も経営を続けていくことは可能なのだろうか?現状のルール加えてドライバーの労働時間の管理も必要になった時、法に則った経営は難しいのではないだろうか。ドライバーの管理を仕切れないからという理由で、事業を譲渡するケースも少なくない。倒産を含め、経営統合、合併などにより、6万を超す運送業者は淘汰され、数を減らしていくのではないだろうか。