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基準告示違反による行政処分多数、中部運輸局

2023年12月26日 (火)

行政・団体中部運輸局が21日発表した一般貨物自動車運送業者に対する行政処分状況によると、11月は事業停止となった1社を含む11社を処分した。

福井県敦賀市のエーワイ本社営業所では、通常監査したところ名義貸しなど14件の違反行為を確認、事業停止30日、車両停止165日車などの処分を下した。その他、車両停止以上の処分としたのは次の通り。

事業者名所在地処分内容監査の端緒違反件数※違反点数
エーワイ(本社営)福井県敦賀市事業停止(30日間)、車両停止(165日車)、文書警告通常監査14件47/47
藤城運輸(本社営)愛知県田原市車両停止(60日車)、文書警告酒気帯び運転12件6/6
K&AC(本社営)名古屋市港区車両停止(30日車)、文書警告重傷事故12件3/3
鈴木商事(本社営)愛知県豊橋市車両停止(290日車)、文書警告、輸送の安全確保命令関係機関からの通報22件29/29
望月商事運輸(本社営)静岡県富士宮市車両停止(20日車)、文書警告関係機関からの通報3件2/2
春日運送(本社営)愛知県高浜市車両停止(90日車)、文書警告公安委員会からの通知8件9/9
河内正臣(本店)三重県多気町車両停止(30日車)、文書警告重傷事故8件3/3
ビューテック運輸(知多営)愛知県武豊町車両停止(40日車)、文書警告通常監査12件4/4
ヤマトコーポレーション(本社営)愛知県西尾市車両停止(40日車)、文書警告関係機関からの情報6件4/4
小寺商事運輸(本社営)静岡市葵区車両停止(100日車)、文書警告通常監査12件10/10
※事業者違反点数/営業所違反点数

24年4月までに業務の総点検を!

「おもな違反の条項」として最も多かったのが、ドライバーが勤務開始から終了まで144時間を超えてはならないと定められている、「乗務時間等基準告示の遵守違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第4項)」。改善基準告示の改正以降は最大でも1日の拘束時間が16時間となるなど、ドライバーの労働時間の規制がより厳格化される。すでに24年4月以降でも問題無く業務が行えるように運行管理を進めている事業者も多いが、現時点で現行ルールにも違反してしまうようでは、改正後の事業継続は困難なのではなかろうか。

また、違反事業者の多くが点呼の実施やその記録、運行記録計による記録、運行指示書といった、記録を残すことを行っていなかった。ドライバーの労働時間に関するルールが厳しくなれば、仕事の開始時間と終了時間を管理する必要が出てくるし、それを記録として残さなければならない。そうした事務仕事を行う体制を整えるか、スマホアプリなどで管理と記録を行うなど、早急な対応を取る必要があるだろう。

24年4月から、労働時間のルールが厳格に運用されないのではないかという観測もあるが、きちんと管理されているかどうかについては目を向けられやすくなるのは確実である。今回の行政処分に限らず、ドライバーが起こした事故がきっかけで監査が入り、さまざまな違反がみつかるというのはよくあることでもある。改善基準告示の改正への対応を進めるとともに、各種法令に違反しないような対応ができているかどうか、改めて確認をしておくべきだろう。