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国際コンテナ戦略港湾、多方面へ直航便展開図る

2024年2月19日 (月)

行政・団体国土交通省は16日、世界的な海上コンテナ運賃市況の混乱などを受け、港湾局で昨年2月以来委員会で検討を重ねてきた国際コンテナ戦略港湾政策について、2024年度から5年程度で取り組むべき方向性の最終取りまとめを行ったと発表した。北米・欧州航路をはじめ、中南米・アフリカなど多方面、多頻度の直航サービスを充実させることで、サプライチェーンの強靭化を図り、グローバルに展開する日本企業のサプライチェーンマネジメントへの貢献を図ることを目的としたもの。

今後の取り組みの基本方針として、「集貨」「創貨」「競争力強化」の3本柱を念頭に引き続き推進し、国際基幹航路の維持、拡大に向け、国や港湾管理者、港湾運営会社などと荷主との連携・協力体制を構築。各種データの充実、データ収集や分析の取り組みを進めるとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)を加速するとともに情報セキュリティー対策を強化する。

▲東アジア・東南アジア貨物の広域集貨イメージ(クリックで拡大、出所:国土交通省)

集貨については、他のアジア主要港との競争が可能な北米・中南米地域向けの貨物を中心とした、東南アジアなどからの広域集貨を目的とした輸送ルートの構築を目指す。東アジア、東南アジア諸国からアメリカへの輸送では、22年に320万TEUが海外港湾経由のトランシップによる輸送だったが、これを国際コンテナ戦略港湾経由に転換する。その際、柔軟で円滑な貨物の積み替えを行うため、コンテナターミナルの一体利用を推進。国際トランシップ貨物を取り扱う際の手続きの円滑化についても関係機関と連携して進める。

▲RORO船にトレーラーを積み込む様子

また、内航フェリーやRORO船などの多様な輸送モードを活用するため、それらの接続の円滑化や、航路の大型化に対応した港湾整備、情報通信技術の高度化などを図るほか、国際コンテナ戦略港湾と内陸地域を結ぶ、海上コンテナを専用とするブロックトレインの早期実現も検討する。

創貨に関しては、国際トランシップ貨物にも対応した、保税地域における流通加工・再混載などの複合機能を有する物流施設の立地支援、物流手続きの円滑化を進める。将来的な利用者の利便性向上のため、保税制度などの改善も視野に入れ、関係機関と連携して取り組む。

▲大規模コンテナターミナルのイメージ(クリックで拡大)

競争力強化の観点からは、船舶の大型化や積み替えの円滑化に対応した大水深・大規模コンテナターミナルの形成を検討。新ターミナルの整備や既存ターミナルの再編・機能強化、耐震強化岸壁の整備を進める。生産性向上に寄与する荷役機械などの技術開発、実装などによるDXの推進、荷役機械の水素燃料化によるコンテナターミナルの脱炭素化をはじめとしたGXの推進も掲げる。

また、国内地方港とのさらなる連携と、海外港湾への運営参画や業務提携などを推進し、国内外のネットワーク構築、経営基盤の強化を図る。国際コンテナ戦略港湾の機能強化に資する施設整備や国際基幹航路の誘致・集貨事業などへの投資を促進し、国内外の船社や荷主などへの営業、新規事業の企画実施機能も強化する。

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LOGISTICS TODAY編集部
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