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ドライ貨物動向、中国の石炭輸入が3割増加

2013年3月22日 (金)

ロジスティクス日本海事センターはこのほど、主要ドライ貨物の荷動き動向(2012年)をまとめた。中国で鉄鉱石輸入が8.5%増加した一方、船腹需要を大幅に上回る供給があった。

■鉄鉱石輸入、船腹供給が中国の輸入増大分の5倍に
日本の鉄鉱石輸入量は1億3110万トンと、前年に比べて260万トン増加。中国の輸入量は7億4550万トンで、585万トンの増加(8.5%増)となった。

中国の増加分の585万トンは、ケープサイズ45隻の船腹需要に相当するが、2012年のケープサイズタンカーの竣工隻数は、VLOCを含め213隻と、中国の鉄鉱石による船腹需要創出分の5倍弱に相当、船腹供給量の増加が新規需要量をはるかに上回る状況となった。

インドは違法採掘、密輸出に対する国内規制が強化されたため、生産が混乱しており、輸出量が減少。国産鉄鉱石が品薄となり、12年に南アフリカから176万トンを輸入、11年はの輸入量10.1万トンから大幅に増加した。

■石炭輸入、火力発電需要で日本の燃料炭輸入量が増加
日本の2012年の石炭輸入量は1億8520万トンと、前年から990万トンの増加(5.7%増)。燃料炭が1億770万トン(6.5%増)、原料炭4.1%増、無煙炭10.5%増となった。燃料炭の輸入増は、原発問題に絡む石炭火力発電所の稼働率上昇によるもの。

褐炭を含む中国の石炭輸入量は2億8890万トンで、29.9%の増加。インドネシア炭のシェアが41%を占めた。

中国の主要な石炭輸入元のひとつである華南の電力会社は、自社船隊を整備しており、海外炭輸入は今後も増加する見込み。一方、国内石炭生産量は、国家統計局によると36.5億トン(3.8%増)で、伸び率はこの6年間で最低値。

■鋼材輸出、ASEAN向け中心に増加傾向
日本の鋼材輸出量は4259.5万トンと、126.1万トンの増加(3.1%増)となった。前年同月比は、2012年11月からことし1月まで3か月連続で2桁の増加となっている。

タイの洪水の影響で、同国向け鋼材が2012年4月積みまで前年割れが続いていたものの、足元は円安効果もあり、ASEAN向けを中心に増加傾向続く見通し。

日本の12年粗鋼生産量は1億720万トンで0.34%の減少。前半のタイ向けと、10月から12月にかけての日中問題による輸出の減少が主因で、経済産業省によると、日中問題による影響は60万トン。