
▲ロジスティクス事業部リーシンググループ課長代理のアレン・マイケル氏
話題東京建物が、物流施設ブランド「T-LOGI」の開発を加速させている。「国際物流総合展2024」の出展では、拡大を続ける同社物流施設開発の現状とこれからを紹介し、「あらためてT-LOGIをより多くの人に知ってもらい、ブランドの浸透を目指す」と、ロジスティクス事業部リーシンググループ課長代理のアレン・マイケル氏は語る。
ここでは、展示会の予習として、短期間で施設開発を急速に拡大し、持続可能な物流構築を支えてきた同社の取り組みをトピックとして紹介する。
東京近郊、船橋エリアからの物流構築提案
(仮称)T-LOGI南船橋は、延床面積9万6000平方メートル、4層のランプ構造施設で、2026年秋の竣工を目指す。

▲「(仮称)T-LOGI南船橋」の完成イメージ
「都心への通勤圏である千葉県西部習志野市の湾岸道路沿いに立地し、東関東自動車道・谷津船橋インターチェンジ(IC)からは200メートルと至近、京葉道路・花輪ICからも1キロと、東京都心や関東の巨大消費圏をターゲットとした拠点設定に最適な都市型物流施設」として、EC(電子商取引)や3PLなどの効率的な運用や、東京港へのアクセスの良さを生かした拠点運用も想定できる物件と、ロジスティクス事業部リーシンググループの坂井彩夏氏は言う。

▲ロジスティクス事業部リーシンググループの坂井彩夏氏
「最大の特長は、JR京葉線・南船橋駅から徒歩9分という立地。生活圏に直結した雇用の面でも優位な施設であり、施設内のラウンジなど、働く人にとって心地良い施設を目指した」(坂井氏)。施設は、中央車路を設けてフロアを4区画に分割、低層階では1000坪以下の平屋小区画も用意して、新規の拠点開発のニーズを持つ成長企業などの活用にも柔軟に対応できる。
また、1階の西側区画は両面バースで運用ができ、配送スピードを重視する通過交通型拠点として機能するとともに、2階は平屋構造とし、高回転な荷物に対応可能、3-4階はメゾネット構造で、高い保管能力を必要とする運用にも適するなど、多様なユーザーのニーズに対応する。都心周縁部からのスピード感ある物流再編での、有力な選択肢となる施設と言えるだろう。
相模原の物流ニーズ見据えたスペック、激戦区で真っ向勝負に挑む
(仮称)T-LOGI相模原もまた、都心とその周辺消費圏、さらには西日本への関東の玄関口に位置付けられる物流施設集積エリアに立地する。延床面積9万5200平方メートル、5層スロープ構造で、1階部分を平屋、2-4階と3-5階はメゾネット構造を採用して、25年12月の竣工を予定する。施設から2キロの首都圏中央連絡自動車道(圏央道)・相模原愛川ICを最寄りの起点として、都内や西日本へとネットワークを広げられるのは、物流要衝ならではの強みだ。

▲「(仮称)T-LOGI相模原」の完成イメージ
物流施設の競争も激しいエリアだが、「保管型ではなく、迅速な配送に対応する仕様が求められるエリア。平屋使いできる1階部分と、スロープで2、3階へのトラックの接車能力を高めた構造など、エリアのニーズをしっかりと反映した施設」(アレン氏)。今後大きな区画の確保が難しくなり、建設費も高騰するなかで、機動力などの使い勝手と賃料価格の魅力をバランスよく兼ね備えた施設としての優位性を打ち出す。周辺に施設が集中するのは、それだけ需要がある証拠、同社としても外せない地域でのニーズを的確にとらえた開発で、厳しい競争でも勝算ありとする。
庫内アメニティーでも、ラウンジとテラス一体の空間を設け、働く人にとっての快適さを追求するなど他施設との差別化を打ち出す。また、南船橋同様に小区画から運用できるなど、事業規模に応じた拠点設定も可能だ。
また、南船橋、相模原ともに、一部エリアでは車庫証明の取得が可能で、トラックの駐車場用途での利用ができるのは、運送業者のかゆいところに手が届く配慮と言えるだろう。「もちろん、太陽光発電やZEB認証などの環境配慮は、T-LOGIにとっての標準仕様。入居企業様の環境取り組みにも貢献する」(坂井氏)
今ならまだ注目拠点・福岡アイランドシティからの物流再編に間に合う
すでに竣工した物件での注目は、九州最大の施設として稼働を開始しているT-LOGI福岡アイランドシティである。博多港に近接する福岡高速6号線・アイランドシティ出入口から1.4キロに立地、福岡市内博多駅周辺まで15分、九州自動車道・福岡ICまで13分と、都心配送や九州広域配送、本州への連携など多様な物流構築が可能な希少物件である。

▲「T-LOGI福岡アイランドシティ」
すでに食品系メーカーや3PLが、九州エリアの拠点再編に活用し、現在入居できるのは4階の1区画を残すのみとなっている。4階といってもダブルランプウェイで平屋同様の機動性がある区画、興味のある方はなるべく早く相談するのが得策だろう。
初のマルチ型冷凍冷蔵施設を大阪市内に提供、施設供給の領域広げる
こうした通常ドライ倉庫の戦略的開発とともに、同社では新たなジャンルでの施設開発にも着手する。マルチテナント型冷凍冷蔵倉庫や、危険物倉庫など、開発のハードルが高い施設供給は、デベロッパーとしてまた新たなステージに踏み出す決意表明ともいえる。
(仮称)T-LOGI大阪弁天町は、同社初のマルチテナント型冷凍冷蔵倉庫として、拡大する冷凍冷蔵市場参入の旗艦施設となる。阪神高速17号線・安治川ICから0.8キロ、弁天町ICからは1.2キロ。阪神高速18号線・波除ICから1.4キロ、本田ICから2.5キロと、複数の主要道路、複数のICを利用可能で、大阪駅周辺まで車で15分の優れた市内配送力と、西日本の物流ハブとしての広域配送、大阪港との接続による物流構築なども想定できる立地である。また、JR大阪環状線・弁天町駅から徒歩圏内と、生活圏に近接した物流施設として雇用の面でも優位性がある。
マルチテナント型冷凍冷蔵倉庫は、テナントごとのニーズの見極めが難しく、賃貸型施設開発ではリスクも高い領域である。同社はBTS型での冷凍冷蔵施設開発や、マルチテナント型への冷凍冷蔵対応などで知見を積み重ね、その集大成となるのが、延床面積1万9000平方メートル、4層ボックス型の(仮称)T-LOGI大阪弁天町となる。
「今後の活況が予想される低温物流市場は、私たちが当然、取り組まなければならない領域。ニーズに合わせた柔軟な利用が可能な賃貸型の供給に取り組むことで市場の期待に応え、私たちの知見やノウハウもさらに高いレベルにすることができる」(坂井氏)。また、27年以降の竣工を目指すだけに、今ならまだ、BTS型施設への転換などの相談も可能だという。
無視できない危険物倉庫ニーズ、汎用性だけではない開発対応広がる
危険物倉庫もまた、その特殊性ゆえに、大きな需要がありながらも賃貸型の開発・供給が難しい分野であり、拡大するニーズに供給が追いつかない状況が続いている。
(仮称)T-LOGI厚木は、ブランド初の危険物倉庫を併設したドライ倉庫。圏央道・圏央厚木ICから3.5キロ、東名高速道路・厚木ICから6.5キロの工業専用用地に4層ボックス型のドライ倉庫と、それと併用して利用できる危険物倉庫2棟を建設し、27年以降の竣工を予定している。「周辺はメーカーの生産拠点も集積する、物流の要衝地。アルコール類、リチウムイオン電池等の保管需要拡大の受け皿として、これまでの離れた場所での非効率な危険物倉庫運営などを見直して、新たな物流再編の拠点を提供する」(アレン氏)
開発領域の拡大は、デベロッパーとしての使命
冷凍冷蔵倉庫、危険物倉庫など、汎用性だけではなく付加価値のある賃貸型施設開発も本格化する東京建物。安全策にとらわれない積極的なチャレンジともいえる新領域開拓の原動力は、「市場のニーズに誠実に対応し、ニーズをしっかりと見極めた的確な施設を開発し、供給するという不動産デベロッパー本来の使命」(アレン氏)だと語り、18年の物流事業参画以来、急ピッチで積み上げ、拡大してきた用地獲得や開発の勢いも、揺るぎない自信となっている。
「とはいえ、デベロッパーとしては後発組であり、まだ市場にブランドが定着しているとはいえない。国際物流総合展では、短期間でさまざまな物流トレンドに対応する物件を揃え、サポート体制も整えてきた私たちの取り組みをご紹介するので、是非ご来場いただき、T-LOGIへの理解を深めてもらいたい」(アレン氏)
カテゴリー:物流拠点・施設開発
ブース番号:4-606
所在地:千葉県習志野市茜浜1-2-4ほか(地番)
用途地域:工業専用地域
総敷地面積:3万38016平方メートル
総延床面積:9万6198平方メートル
構造:4層ランプ
最寄りIC:東関東自動車道・谷津船橋ICから0.2キロ
最寄り駅:JR京葉線・南船橋駅から徒歩9分
所在地:神奈川県相模原市南区当麻花ヶ谷戸
用途地域:工業専用地域
総敷地面積:3万8677平方メートル
総延床面積:9万5206平方メートル
構造:5層スロープ
最寄りIC:圏央道・相模原愛川ICから2キロ
最寄り駅:JR相模原線・原当麻駅から徒歩18分
所在地:福岡市東区みなと香椎4-1-1
用途地域:工業専用地域
総敷地面積:3万9306平方メートル
総延床面積:14万8099平方メートル
構造:6層ランプ
最寄りIC:福岡高速6号アイランドシティ線 ・アイランドシティ出入口から1.4キロ
最寄り駅:西鉄バス・みなと香椎第二バス停から0.3キロ
所在地:大阪府大阪市港区弁天6-5-4ほか(地番)
用途地域:工業専用地域
総敷地面積:9425平方メートル
総延床面積:1万9736平方メートル
構造:冷凍冷蔵4層ボックス
最寄りIC:阪神高速17号・安治川ICから0.8キロ
最寄り駅:JR大阪環状線・弁天町駅から徒歩11分
所在地:神奈川県厚木市金田960-1(地番)
用途地域:工業専用地域
総敷地面積:1万4744平方メートル
総延床面積:2万3240平方メートル(うち危険物倉庫は2116平方メートル)
構造(予定):ドライ4層ボックス、平屋危険物倉庫2棟
最寄りIC:圏央道・圏央厚木ICから3.5キロ