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物流DX未来会議開催、多様な領域での革新を議論

2024年10月10日 (木)

▲(左から)LOGISTICS TODAYの赤澤裕介、セイノーホールディングス執行役員の河合秀治氏、フジホールディングス執行役員の川上泰生氏、X Mileの伊藤隆明氏

イベントDX(デジタルトランスフォーメーション)による物流革新をテーマとするイベント「物流DX未来会議DAY1」が10日、開催された。2日間にわたるイベントの1日目となる今回のオンラインイベント、オープニングではX Mile(クロスマイル、東京都新宿区)の代表取締役CEO(最高経営責任者)野呂寛之氏と本誌LOGISTICS TODAY編集長・赤澤裕介が対談。物流業界の多様な課題ごとの注目ポイントを明らかにすることからイベントの幕を開け、続く6つのセッションでは領域ごとの課題に対して、それぞれの領域の専門家を招いての議論が繰り広げられた。

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最初のセッションは、東京大学大学院工学系研究科博士(工学)の田中謙司教授と野呂氏による対談。日本の物流政策の指針となる総合物流施策大綱について、現行の5か年計画の最終年度が来年となることから、その主要施策の進ちょく状況、今後の課題などが解説された。重要項目に掲げられたDXでは、プレイヤーの多さなどがボトルネックとなっている現状が指摘され、データ活用と集積による共有化推進の意義、物流価値の向上への意識を高めることの重要性に言及。デジタル技術の進化による「見える化」や、自動化・標準化技術の推進へ学会からの働きかけも続けていくことなどが説明された。

セッション2には、日本ロジスティクスシステム協会理事でJILS総合研究所所長の北條英氏が登壇。改正物流法で特定荷主に義務付けられる「CLO」(物流統括管理者)についての知見が語られた。荷主企業の役割・責任として、物流改革へ向けた意識や行動の変容が求められており、特に対応が注目されるCLOの要件や、CLOに必要とされる経営レベルでの役割や素養などを解説。物流効率化のみならず業界の構造的問題の革新など、物流領域だけではなく「ロジスティクス」としての観点から、CLO選任義務にどのような準備をしておくべきかを解説し、荷主事業者へ取り組みを促した。

▲日本パレットレンタルの二村篤志氏

セッション3では、パレット標準化・レンタルパレットの輸送活用による物流革新に長年取り組んできた日本パレットレンタル(JPR)の二村篤志代表取締役社長を招き、2024年問題解決で重要な役割を果たす一貫パレチゼーションを基軸とするJPRの取り組みの現状、横たわる課題など、同社が取り組んできたこれまでの経緯を含めた最新状況が共有された。物流課題への強力な課題解決策として期待される一貫パレチゼーションだが、普及に向けて日本特有の課題、道のりの険しさも示され、多くの物流関係者の理解と協力が呼びかけられた。企業の枠を超えた共同プラットフォーム構築など、物流の共同化への取り組みを先導して、一貫パレチゼーション普及につなげる。

▲カワキタエクスプレスの川北辰実社長(右)

セッション4には、実運送事業からカワキタエクスプレス(三重県亀山市)の川北辰実代表取締役社長が登壇。X Mile共同創業者兼COOの渡邉悠暉氏を交えて、カワキタエクスプレスの成功事例から、運送事業者の人材戦略を学ぶ。若手ドライバーの定期採用、教育制度構築、SNS広報など独自の人材戦略で、社員の平均年齢29歳代と異色の運送会社を率いる川北氏からは、失敗しないドライバー採用と育成の秘訣が明かされた。

5番目のセッションでは、収集運搬・中間処理・最終処分を行うなど、一般貨物事業者同様に24年問題に直面する産業廃物収集業界から、ATホールディングス(群馬県前橋市)の代表取締役グループCEOの堀切勇真氏が登壇。X Mile経営企画部・インキュベーション推進本部の伊藤隆明ゼネラルマネージャーと対談した。オープンでクリーンな企業風土作りから「リファラル採用」による人材確保を定着させ、動態管理や配車管理などDXの活用を、現場への浸透を基盤に働き方の革新につなげる同社の企業戦略や、持続可能な企業成長を支える採用のポイントやM&A戦略などについても解説した。

イベント1日目最後のセッションは、セイノーホールディングスの執行役員で、オープンイノベーション推進室室長兼事業推進部ラストワンマイル推進チーム担当の河合秀治氏、フジホールディングス執行役員マーケティング部長の川上泰生氏という、M&Aを事業戦略に取り込んで躍進する大手運送事業2社が登場。業界再編時代における事業戦略としてのシナジー効果創出やコア事業強化を目的としたM&Aについて、X Mile伊藤氏を交えて、物流業界においてM&A戦略が持つ意義や捉え方など、両社の取り組みが語られた。M&Aを仕掛ける側の視点だけではなく、事業譲渡やM&Aを受け入れる側となる運送事業者にとって、今必要な考え方などを理解する機会ともなったのではないだろうか。

学会、調査研究機関、運送事業、産廃事業など多様なジャンルの有識者が、それぞれの領域で注目されている課題であるCLO、ドライバー採用、M&Aなどの各テーマについての知見、最新動向を紹介するとともに、ITソリューションベンダーのX Mileからは、DXの視点で各課題の対応策なども示された。また、各セッションでは「共同」「連携」などが共通するキーワードとして取り上げられ、サプライチェーンや企業間をつなぐデータ活用やデジタル連携の重要性についても再確認された。

イベント2日目となる10月18日の物流DX未来会議DAY2は、会場観覧(抽選登録は15日12時締め切り)とオンラインのハイブリッド開催となる。DXなど運送会社・物流事業の未来戦略についてのセッションや、物流課題解決に求められるこれからの荷主企業の役割と責任を掘り下げるセッション、さらに荷主企業と運送会社、コンサルタント事業者まで多様な領域から論客が集結して物流改革の重要キーワード「パートナーシップ」についてのパネルディスカッションを行う予定である。

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オープニングセッション「物流業界課題と方向性の整理」
登壇者:野呂寛之氏(X Mile代表取締役CEO)、赤澤裕介(LOGISTICS TODAY代表取締役社長兼編集長)

セッション1「総合物流施策大綱に対する状況と今後」
登壇者:田中謙司氏(東京大学大学院工学系研究科博士(工学))、野呂寛之氏

セッション2「『CLOの要件』特定荷主が向かうべき最重要項目」
登壇者:北條英氏(日本ロジスティクスシステム協会理事/JILS総合研究所所長)、赤澤裕介

セッション3「日本品質の物流は持続可能か – 一貫パレチゼーションの重要性」
登壇者:二村篤志氏(日本パレットレンタル代表取締役社長)、赤澤裕介

セッション4「会社の成長とドライバーの質向上を実現!人気運送会社の採用戦略とは?」
登壇者:川北辰実氏(カワキタエクスプレス代表取締役社長)、渡邉悠暉氏(X Mile共同創業者兼COO)、赤澤裕介

セッション5「産廃物収集業界における2024年問題と生産性向上の施策とは?」
登壇者:堀切勇真氏(ATホールディングス代表取締役グループCEO)、伊藤隆明氏(X Mile経営企画部/インキュベーション推進本部ゼネラルマネージャー)

セッション6「2024年問題の競争環境下での、成長戦略としてのM&A」
登壇者:河合秀治氏(セイノーホールディングス執行役員オープンイノベーション推進室長兼事業推進部ラストワンマイル推進チーム担当)、川上泰生氏(フジホールディングス執行役員マーケティング部長)、伊藤隆明氏、赤澤裕介

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13:15-13:30

13:30-14:30

14:45-15:30

15:45-16:45

17:30-19:00
交流会(軽食付き)
※登壇者と名刺交換可能

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<DAY2>

開催日時:2024年10月18日(金)13時-16時45分(交流会は19時頃まで)
視聴形式:ハイブリッド(会場&オンライン)
参  加:無料
定  員:会場参加は150人(会場の抽選登録は15日12時締め切り)
会  場:P.O.南青山ホール(東京都港区南青山2-5-17 POLA青山ビルディング 地下1階)
https://po-hall.jp

※セッション終了後、会場にて登壇者との交流会あり
※当日参加できない場合でも録画視聴が可能(要事前登録)

共  催:X Mile/LOGISTICS TODAY

注意事項

お申し込み時にメールアドレスはお間違えのないようご入力ください。個人情報の取り扱いについては、LOGISTICS TODAY「LT Special Report/LOGISTICS TODAY企画イベント利用規約」に準じます。

視聴用URLはイベント開催前日にお送り致します。

※上記内容は、事前の告知なく変更する可能性があります。

■問い合わせ先
LOGISTICS TODAYプロモーション企画室 イベント運営事務局
event@logi-today.com