ロジスティクス大日本印刷(DNP)は2日、出版社向けにウェブサイトで雑誌の定期購読と雑誌記事に関連した商品の販売を一元管理する通販業務支援サービスを10月からASPで開始する、と発表した。
顧客情報の管理やウェブサイトでの受注、決済、配送の管理などの基本的なEC機能に、定期的な雑誌の購読の管理機能を付加し、定期購読と物販の通販に必要な機能をワンストップで提供するもの。
通販市場が拡大する中、専業の通販会社だけでなく、多くの企業が通販事業を開始しており、出版社でもウェブサイトでブランドを活用したファッショングッズや日用雑貨などの販売に力を入れている。
しかし、雑誌の定期購読は、定期購読を専門に取り扱っているネット書店とリンクしている場合が大半で、雑誌の定期購読とグッズなどの通販を一元管理するASP型システムはほとんどないため、それぞれの利用・購入履歴や生活者の属性情報などを関連付けたプロモーションなどを実施することが困難だった。
そこで、DNPは定期購読と物販を一元管理できる通販システムを構築し、通販業務のプロセス全体をサポートすることで、出版社の事業拡大に寄与する通販業務支援サービスを提供することにした。
発売日が決まっている雑誌の定期購読の場合、申し込みのタイミングにかかわらず、最初の出荷を次号の発売に合わせるほか、合併号などの変則的な発刊にも対応する。また、バックナンバーの在庫管理も行うことができる。
定期購読は、半年、1年、3年など複数の契約期間を設定可能で、ウェブサイトのほか、雑誌に添付されている振込用紙や電話による注文にも対応。サイトに会員ページを設け、定期購読の継続申込機能を付けることができる。途中解約といった注文内容の部分的な取り消しや、定期購読対象雑誌の途中変更にも対応する。
また、顧客情報から、注文、決済、発送、在庫までの基本的なEC機能に加え、サイト制作やプロモーション、セキュリティなど通販事業に必要な機能を提供。掲載する商品などの登録や編集を行うことができるコンテンツ管理機能を持ち、ページの作成・管理が容易。
購入金額に応じたポイント設定など、ポイントサービスに必要なポイント管理機能を持っており、クーポンやメールマガジンを特定の条件で抽出した顧客に向けて配信することができる。
新規顧客とリピート顧客に分けて、売上実績のレポートや購入までに顧客が閲覧したページなど、効果の検証に有効なレポートを作成するほか、オプションで、商品登録の代行作業から問い合わせ対応や電話での注文受付などを行うコールセンター業務、雑誌や物販の梱包・発送業務まで、通販事業に関わる業務をトータルに支援するワンストップサービスも提供する。
同社は今後、出版社やファンクラブなどの通販事業にも新サービスを提供し、スマートフォンに対応したシステムも開発していく。関連事業を含めたサービスで、2016年度に4億円の売上を目指す。