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住商、イラク自動車販社に出資、トヨタ拠点展開

2013年10月3日 (木)

SAS 社のドホークTASS拠点

荷主住友商事は3日、イラク自動車ビジネス最大手「サルダールグループ」(バクダッド市)傘下のSASオートモーティブ・サービシズに出資したと発表した。SAS社による第三者割当増資を3億2000万円で引き受けたもので、住友商事の持分は45%となった。イラク戦争後、日本企業として初の民間投資、合弁会社案件となる。

住友商事は、SAS社への出資参画を通じ、トヨタ車の整備・修理、補修部品販売、車両販売を行う拠点をイラクの主要地域で展開する。

具体的には、クルド自治区で既存拠点のドホーク、エルビルに加え、今月中に同自治区のスレイマニア、中央のバグダッド、今年度中に南部のバスラへと拠点を広げる。その後、モスルやキルクークにも段階的に出店していく。

住友商事は1966年にバグダッドに事務所を開設し、自動車、建機、鉄鋼、通信機器分野などを中心に幅広い事業を展開。自動車分野ではトヨタ車29万台、日野トラック1万台、建機分野で3万台以上を出荷した実績がある。

91年の湾岸戦争を機に一時、現場から撤退を余儀なくされたものの、大規模戦闘終結直後の03年以降、専任担当者を隣国ヨルダンに派遣。09年にはイラク戦争後、日本企業による初のイラク国内事務所をバグダッドに再開設し、ことし4月にはエルビルに常駐者を配置した。

このほか、石油資源が豊富なバスラにも活動拠点を設けており、同社では「これらの拠点をベースに、今後も鉄鋼、自動車、建機、インフラなどのビジネスを推進していく。技術者育成のためのトレーニングセンターも設立し、地場の雇用創出、イラク人技術者の技術力向上などの人材育成を通じて、イラクの戦後復興、社会貢献の活力につなげていきたい」としている。