ロジスティクスオランダの経営・技術コンサルティングファーム、BearingPoint(ベリングポイント)は15日、花王の南北アメリカでの倉庫業務の一元化プロジェクトを支援し、通常の業務を継続しながらシステムの統合を成功させたと発表した。
花王の米国法人では、製品の保管や配送を複数の3PL事業者に委託していたが、それぞれ異なるシステムで業務管理を行っていたため、非効率な部分が生じていた。このため、同社はオハイオ州シンシナティの中央配送センターに卸売業務とサロン配送業務を統合するなど、物流システムを再編することにした。
しかし、物流システムの再編には通常の業務を行いながら、数千点の商品の移送や既存システムのデータ移行、再構成を進める必要があるためベリングポイントへ支援を依頼した。
システムの統合に向けて、ベリングポイントはまず、販売から出荷、購入から保管まで、すべてのプロセスを見直したうえで、500以上の配送ルートを決定し、システムに組み込みこんだ。さらに新しいコードを開発し、スキャナー、ラベル、フォームなどが新しい倉庫要件に適合するようにした。
本格稼働に向けた準備では、新たな物流システムを段階的に導入するため、流通量の多い製品を扱う大口顧客を戦略的に選定。ピッキングや梱包、出荷などのテストを、従来の物流システムと併用しながら8週間にわたって実施。運用に問題ないことを確認し、スムーズな新システムへの移行につなげた。
これによって、花王は外部委託していた物流サービスを自社内で完結させることに成功し、大幅なコスト最適化を実現。すべての物流データを統合することで、より正確な費用予測と検証が可能になった。また、サプライチェーン全体をリアルタイムで把握できるようになり、製品の納期管理や在庫計画の効率化、顧客サービスの質の向上も図った。
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