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世界の貨物・物流市場は、DX、持続性が成長の鍵

2025年7月16日 (水)

調査・データPanorama Data Insights(パノラマデータインサイト、東京都中央区)は16日、世界の貨物および物流市場に関するレポートを発表した。

世界の貨物および物流市場は、2022年から31年の間に年平均成長率(CAGR)4%で成長し、市場規模は150.8億ドルから214億ドルに成長すると予測されている。

近年、同市場では技術革新が市場の成長に大きな影響を与えており、特にAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータの活用が、業務の効率化とコスト削減を実現している。AIは需要予測や在庫管理に役立ち、物流の最適化を支援。IoTは輸送中の貨物のリアルタイム追跡を可能にし、トラブルシューティングや不正確な配達を防止する。さらに、ビッグデータの活用により顧客のニーズに基づいた柔軟な配送サービスが提供され、顧客満足度が向上している。

またeコマース(電子商取引)の拡大が物流市場に大きな影響を与えており、オンラインショッピングの普及によって消費者は迅速な配送サービスを求めるようになったことが物流業界の成長を加速させている。特に即日配送や翌日配送の需要が増加し、物流企業は効率的な配送システムの構築に注力。この傾向は都市部だけでなく地方や新興市場でも顕著に見られ、グローバル規模での物流業務の需要が高まっている。

さらに近年は環境問題への意識が高まり、物流業界でも持続可能な運営が求められるようになっている。多くの国や地域でCO2排出量の削減を目指す厳しい規制が導入されており、物流企業はこれに対応するためにエコフレンドリーな輸送手段を導入。電動トラックや低排出ガス車両の導入や効率的なルート計画によってエネルギー消費を最小限に抑えることが求められており、物流業界は環境規制を順守することが競争力の源泉となりつつある。

市場の成長には輸送インフラの整備も重要な要素となっている。特に鉄道や道路網の拡充、港湾の効率化、航空貨物の高速化が市場の拡大を支えている。また都市化が進む中で都市間輸送や都市内物流の効率化が求められており、スマートシティの概念が進展する中、今後の市場の成長を促進すると期待されている。

一方、物流業界は労働力不足という課題にも直面している。ドライバーや倉庫作業員などの不足を背景に輸送コストが上昇し、サービスの遅延が発生するリスクを抱えている。労働力不足への対応として自動化技術やロボット技術の導入が進んでいるが、完全な自動化の実現には多大な投資が必要であり、この課題に取り組むためには長期的な戦略が求められている。

今後は特にアジア太平洋地域(APAC)の経済成長が市場を牽引し、企業のグローバル化がさらに進展することが期待されている。技術革新の加速、eコマースの成長、環境規制への適応が市場の主要な要素となると見られている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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