ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

国交省、商船三井事故で試算方法など協議

2013年11月1日 (金)

行政・団体国土交通省は1日、商船三井運航のMOLコンフォート号事故を受けて設置したコンテナ運搬船安全対策検討委員会で、10月28日に開催した委員会の議事概要を公表した。

委員会では「折損事故の際に船体中央部の船底にまず浸水が発生していることから、船体中央部の船底から構造破壊が始まった」として、シミュレーション計算で船体中央部の船底に作用していたと考えられる荷重を想定し、船体中央部の構造強度をシミュレーションにより評価し、船体の折損がどのように進行したのかを推定することにした。

また、シミュレーションに用いる船体中央部の船体構造の有限要素法によるモデル化、試計算を実施して適切にシミュレーションを行える見通しを得た。

次に、船体に作用した荷重を想定するため、事故船がこれまで遭遇した気象海象や貨物の積載状態など調査するとともに、事故後に行われた事故船と同じ構造設計の大型コンテナ船に関する安全点検の結果などを聴取した。

同型船の安全点検結果を聴取したところ、船体中央部の二重底船底外板で船体横断面の中心線付近に高さ20ミリメートル程度の座屈変形(船底外板が船内側又は船外側に山形に変形)が見られるなどの情報を得たが「このような変形が折損事故の端緒となったのかどうかは、現時点では明らかでない」との見方を示した。

これらのコンテナ船は既に予防的な安全強化策として船体強度を大幅に引き上げる船体構造の強化工事などを実施しており、委員会では今後、事故船と構造設計の異なる大型コンテナ船の船底にも同様の変形が発生しているのか、船級協会の協力を得つつ調査することにした。

今後、作用荷重と船体強度などのシミュレーションを進め、事故発生シナリオの推定と安全対策の検討を行う。