ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

国交省、商船三井コンテナ船事故検証も「折損再現できず」
コンテナ船安全対策検討委が中間報告

2013年12月17日 (火)

行政・団体国土交通省は17日、商船三井運航の大型コンテナ船「MOLコンフォート」が船体中央部で折損した事故を踏まえて設置した「コンテナ運搬船安全対策検討委員会」による、大型コンテナ運搬船の今後の安全対策のあり方を検討した中間報告書を公表した。

業界関係者や専門家を集めた検討委で半年にわたってシミュレーションと評価を実施したが、これまでのシミュレーションでは、いずれの場合も「折損しない」との計算結果が出た。

船舶は自重、積載貨物、波によって受ける外力の和(作用加重)が船体強度を超えた場合に折損するが、事故船の船体中央部をモデル化してシミュレーション計算を行ったところ、作用加重は船体強度を下回り、折損しないとの計算結果に至った。さらに、安全点検で見られた「座屈変形」や疲労亀裂の影響を加味しても折損しないとの結果となった。

国交省では、「多くのパターンでシミュレーションしたが、船体折損を再現できておらず、今後、最長1年間程度かけて考え得るあらゆるシミュレーションを行う」方針。

また、今回の中間報告書で示された「折れるはずのない状況で折れた」ことに対する見方として、「現実に発生した船体折損を再現できていないため、さらなる検証作業が必要」としつつ、考えられる可能性として(1)事故時に船体に作用していた荷重が計算値以上であった(2)座屈変形の程度などにより事故船の船体強度がさらに低下していた(3)その両方が起きていた——との状況を想定し、今後の検証作業に取り組む。

■報告書全文のダウンロードURL
https://www.logi-today.com/wp-content/uploads/2013/12/48dfff62a396d9b30036ab9f69c23f9a.pdf

■事故当時のLogisticsToday掲載記事のまとめ
「商船三井海難事故情報のまとめ」