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コンテナ運搬船安全対策検討委員会、年内にとりまとめ

「折損あり得る」、商船三井コンテナ船事故で国交省検証

2014年9月30日 (火)

行政・団体国土交通省は9月30日、昨年6月にインド洋を航行中に船体が折れた商船三井運航のコンテナ船「MOLコンフォート」の事故に関連し、25日に開催した「コンテナ運搬船安全対策検討委員会」の検討結果を公表した。

同委員会では、事故時に船舶にかかった力と船体強度のシミュレーション結果を検討し、中間報告書で取り組み課題となっていた不確実要因の検証作業を進めた結果、「非常に低い確率」としながらも「船体折損の場合があり得る」ことが判明。昨年の中間報告書では「折損を再現できなかった」と報告していた。

海象データと貨物重量のばらつきを考慮すると、作用荷重は中間報告書の値より大きくなる可能性があった。また、鋼材の強度データのばらつきなどを考慮したところ、船体強度が中間報告書の値より弱くなる可能性があり、作用荷重が船体強度を上回り、「非常に低い確率ではあるが船体折損の場合があり得る」との結論を得た。

この検討結果を受け、同委員会では今後、実海域で作用荷重について実船計測による検証に取り組み、同型船船底に発見された座屈変形の発生メカニズムを解明し、折損発生の推定要因の検討を進めることにした。

また、ほかの大型コンテナ船についても同様にシミュレーションを行い、安全性の確認に関する検討を進めるとともに、検証・検討のとりまとめを年度内に行うことを確認した。