サービス・商品日本通運は22日、新たな貨物輸送サービス「NX Truck & Sea」を23日から開始すると発表した。この新サービスはトラック輸送とNXグループが運航する内航船「ひまわり」を組み合わせるモーダルコンビネーション型輸送。苫小牧港、東京港、博多港の各地に積み替え施設「NX Transit ポート」を設置し、顧客がトラックなどで持ち込んだ貨物を、海上コンテナや13メートルトレーラーに積み替える。その貨物を「ひまわり」で海上輸送し、顧客先まで運ぶ仕組みだ。

(出所:日本通運)
このサービスのメリットは労働力・ドライバー不足への対応策になることだ。長距離トラックの手配が不要となり、ドライバー不足や高齢化に対する抜本的な解決に貢献する。同サービスは苫小牧港、東京港、博多港の3拠点で運用し、各「NX Transit ポート」では9時から15時までの貨物取扱時間を設けている。屋根付きの積替え施設を用意することで、雨天時も安全に作業でき、天候による遅延リスクを抑制できる。
災害時にも活躍するのも特徴だ。陸路が寸断された場合でも、港間を内航船で結び、安定した輸送ルートを確保できる。BCP対策としても効果が期待できる。また、NXグループ独自のRSVコンテナを採用し、鉄道と連携した輸送の際には、積み替えなしでそのまま鉄道輸送につながる仕組みも整えた。RSVコンテナは鉄道と海上の双方で使える設計とし、荷役の効率化と安定的な連携輸送を両立している。「ひまわり」は非常に高い定時運航率を維持しているため、貨物の集荷・配送においても納期順守の確率が高い。加えて、環境負荷低減の意義も大きい。長距離輸送を船舶へシフトし、ドライバーによる陸路輸送を最小化することで、CO2排出量の削減につながる。脱炭素社会の要請に応え、顧客のサステナビリティ経営にも大きく寄与する。

▲(左から)NX Transit ポート、コンテナ、内航船ひまわり(出所:日本通運)
利用条件は機械荷役が可能な貨物であることを規定し、バラ貨物は対象外とした。利用には事前契約が必要になる。基本料金は積替え作業料、船までの横持ち料、海上運賃、燃料油調整金(変動)、配達料を含む。
同社は今後さらに、鉄道・船舶を活用したモーダルシフトを推進する。多様な輸送モードを組み合わせたロジスティクスソリューションを拡充する。顧客のCO2排出量削減やBCP対応など、多面的な課題解決へこれからも積極的に取り組む方針を示している。
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