サービス・商品現場のオペレーション改善を支援する動画プラットフォーム「ABILI Clip」(アビリクリップ)を提供するClipLine(クリップライン、東京都千代田区)は15日、現場スタッフと管理者を支援する2種類のAI(人工知能)エージェントを9月にリリースすると発表した。日々の業務で生じる疑問に答えるスタッフ向けAIと、管理者の意思決定を支援するAIを、既存のサービスに搭載する。動画プラットフォームは物流業界でもすでに4000拠点で導入が進んでおり、今回の新機能は、現場の「判断の孤独」を解消し、人材育成をさらに加速させるものとして注目される。
発表会に登壇した同社の高橋勇人社長は、新機能開発の背景について、「現場は慢性的な人手不足と業務の複雑化という二重の課題に直面している。困ったときに相談相手がいないという“判断の孤独”が深刻だ。この課題を、AIの力で解決したい」と、その目的を語った。

▲ClipLineの高橋勇人社長
現場スタッフ向けに提供されるのは、キャラクター型AIエージェント「ABILI Pal」(アビリ・パル)。ABILI Clip内に登場し、スタッフがチャット形式で投げかける日常的な疑問に対し、要点をまとめたテキストと関連動画を提示する。ABILI Clipに登録された業務マニュアル動画の音声データをAIが自動で書き起こし、その内容を基に回答を生成する仕組みだ。
一方、管理者やマネージャー向けには、AIエージェント「ABILI Buddy」(アビリ・バディ)が提供される。こちらは、売上や人件費などのダッシュボードデータをAIが自動で読み解き、「いま何をすべきか」を示唆するレポートを自動生成する機能だ。

▲「ABILI Pal」AIエージェントがチャット形式の質問に対してテキストと動画で受け答えする(出所:ClipLine)
高橋社長は、物流業界でのAIエージェントの活用についても言及。「物流・運輸業界は、外食・小売と並ぶ我々の3大セクターの一つ。全導入実績2万拠点のうち、4000拠点を占める非常に重要なセグメントだ」と、同業界への注力を強調した。その上で、物流現場でのAIエージェントの具体的な活用法として、「例えば、荷物をどう積むか、安全運転で気をつけるべきことは何か、といった現場で発生する疑問に対し、AIが動画クリップを基に即答してくれる。社内ルールについて『こういう時どうしたらいいんだっけ?』と聞けば、AIがルールを示し、該当するマニュアル動画を提示する。こうした活用が考えられる」と説明した。
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