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世界の鉄道物流市場、31年に3.6兆米ドル規模に

2025年6月6日 (金)

調査・データPanorama Data Insights(パノラマデータインサイト、東京都中央区)は5日、世界の鉄道物流市場に関するレポートを発表した。

世界の鉄道物流市場は、2022年から31年にかけて収益が1兆9950億米ドルから3兆6060億米ドルに増加し、年平均成長率(CAGR)は6.1%に達すると見込まれている。

市場の成長の要因として、鉄道インフラの近代化が大きな影響を与えている。鉄道ネットワークの統合や電化、スマートシステムの導入が進むことで、輸送効率も大幅に向上している。また国際貿易の増加が鉄道物流の成長を加速させている。特に中国とヨーロッパ間の貿易ルートや、アジアと中東、アフリカ間などの国際的な鉄道ネットワークの整備により、物流のコスト削減や輸送時間の短縮が実現され、より多くの企業が鉄道物流を選択するようになっている。さらに自動運転技術の導入や、貨物追跡システム、AI(人工知能)を活用した最適化アルゴリズムが導入されることで鉄道輸送の効率性が向上。モバイルアプリケーションやオンラインプラットフォームを通じてリアルタイムで貨物の追跡や運行管理ができるようになり、顧客の利便性も向上している。

一方、市場の成長には引き続きインフラの整備と投資が不可欠となっており、特に発展途上国では鉄道網の整備が遅れている。これには国際的な支援や政府の投資が重要であり、鉄道ネットワークの拡大と近代化が急務となっている。また鉄道物流はコスト効率が高い一方で、道路や航空輸送と競合している。特に短距離輸送では鉄道よりも柔軟で迅速な配送が可能なトラック輸送が選ばれることが多い。

市場のトレンドとして、自動化技術やインテリジェント物流システムの導入が進んでいる。スマートシティの構築が進むなか、鉄道物流は都市間輸送の重要な部分となっており、都市の物流ネットワークと統合される方向に進んでいる。都市部では鉄道による効率的な貨物輸送が求められており、今後都市の交通インフラと一体化して、より効率的な物流システムを提供することが期待されている。また環境意識の高まりとともに再生可能エネルギーを活用した電化鉄道の導入が進んでいる。燃料効率の良いディーゼル機関車や、低排出ガス車両の導入も進んでおり、環境負荷の少ない鉄道物流システムへの移行が進んでいる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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