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世界の貨物・物流市場、年平均4%成長を予想

2025年3月17日 (月)

調査・データPanorama Data Insights(パノラマデータインサイト、東京都中央区)は13日、世界の貨物および物流市場に関するレポートを発表した。

レポートによると、世界の貨物および物流市場は2022年の150.8億米ドルから2031年には214億米ドルに達すると見込まれている。これは23年から31年の予測期間において、年平均成長率(CAGR)が4%で推移することを示している。

市場成長を支える主要要因として、電子商取引(EC)の拡大が挙げられる。オンラインショッピングの普及により、消費者の即日配送や翌日配送への期待が高まっており、物流企業は倉庫の自動化、ルート最適化、リアルタイムトラッキング技術を導入し、より迅速で効率的な配送を実現しようとしている。特にアマゾンやアリババなどの大手EC企業が積極的に物流ネットワークを強化し、市場の成長を後押ししている。

国際貿易の増加により、貨物輸送の最適化、物流のデジタル化、ブロックチェーン技術を活用したサプライチェーン管理の強化など、企業が様々な取り組みを進めていることも成長要因とした。また、CO2排出量の削減を目指した規制強化が進む中でグリーン物流の実現が求められており、電動トラックの導入、代替燃料の活用、エネルギー効率の高い倉庫管理システムの採用などが注目されている。

AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ブロックチェーン、ビッグデータなどの技術発展も成長を後押ししている。在庫管理の最適化、配送ルートの効率化、リアルタイムでの貨物追跡が可能になったことで、物流プロセスの全体的な改善が進み、特に自動運転トラックやドローン配送などの新技術が、今後の物流業界における大きな変革をもたらす可能性がある。

地域別の動向を見ると、北米市場では、先進的な物流インフラとEC市場の拡大によって成長している。特にアメリカでは倉庫の自動化やラストマイル配送の効率化が進んでおり、大手物流企業が競争力を強化している。ヨーロッパでは環境規制の強化に伴い、グリーン物流の導入が加速。また、鉄道貨物の利用拡大や持続可能な輸送手段の開発が進められている。アジア太平洋地域は特に中国やインドの経済成長により物流市場の拡大が著しい。EC市場の急成長とともに、物流インフラの整備が進められており、多国籍企業が積極的に投資を行っている。中東・アフリカでは、貿易の拡大やインフラ投資が増加している。特に中東では航空貨物のハブとしての役割が強化されており、今後の市場拡大が見込まれる。

一方、サプライチェーンの混乱、労働力不足、燃料価格の変動などが業界のリスク要因として挙げられる。同社によると、今後の物流業界ではデジタル化のさらなる進展とAI技術の活用が鍵となり、特にAIを活用した需要予測、ロボットによる倉庫管理、自律型配送システムなどが、物流の新たな標準となる可能性があるとした。

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LOGISTICS TODAY編集部
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