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TRC夏祭りで「絆」再確認、3000人来場で大盛況

2025年8月12日 (火)

イベント東京流通センター(TRC、東京都大田区)は8日、テナント企業やパートナー企業らを招いた大規模交流イベント「TRC夏祭り2025」を同社センター内の第一・第二展示場で開催した。コロナ禍で長らく中断していた恒例の「桜祭り」を継承し、夏祭りとして初めて復活させたもので、会場には家族連れなど推定3000人が来場。笑顔と活気に溢れ、物流拠点におけるコミュニティの重要性を改めて示す一日となった。

このイベントの目的について、主催した東京流通センター総務部の萩原凱氏は「テナントの皆様や周辺のステークホルダーの方々に対し、日頃の感謝を伝えるとともに、互いのリレーションシップを強化すること」と語る。さらに、「我々社員も参加することで、TRCの中にどのようなテナントさんがいらっしゃるのかを知り、それぞれの繋がりをさらに広げていきたいという狙いがあった」と述べ、テナント同士の交流促進も強く意識していたことを明かした。

TRCがかつて春に開催していた「桜祭り」は、物流業界では広く知られた一大イベントだった。しかし、コロナ禍の影響で数年間の中断を余儀なくされていた。今回の夏祭りは、その伝統を受け継ぎ、新たな形で再始動させたものだ。萩原氏は、来場者数について「桜祭りと同規模か、それ以上を目指していた」と話し、当日の盛況ぶりは主催者の期待に応えるものとなった。

会場は、射的や輪投げといった縁日コーナー、さまざまな食事や飲料を提供するブースが軒を連ね、まさにお祭りの賑わいを見せた。食品総合卸のプレコグループをはじめとするテナント企業も試食コーナーなどのブースを出展し、イベントを盛り上げた。萩原氏は「テナントさんや協力会社の皆様に多大なご協力をいただいた」と感謝を示す。

中でも会場が一体となって熱気に包まれたのが、特設ステージで開催されたカラオケ大会だ。事前エントリー制で出場者を募集したところ、主催者側が「15人集まるかどうかも不安だった」という心配をよそに、予定数を超える応募が殺到。当日は、出場者の同僚や知人など多くの応援団も駆けつけ、歌声と声援が響き渡る、イベントのハイライトとなった。熱唱を終えた出場者には、東京流通センターの有森社長から直接景品が手渡され、会場は大きな拍手に包まれた。

久しぶりの大規模イベント開催に、萩原氏は「さまざまな対応が後手に回った部分もあったかもしれない」と謙虚に振り返りつつも、「写真を撮っていても笑顔の方が多く、楽しんでいただけたのかなと感じている」と安堵の表情を見せた。物流の拠点としてだけでなく、人と人との繋がりを生み出すプラットフォームへ。TRCは今回の夏祭りの成功を糧に、今後もステークホルダーとの強固な関係を築いていく構えだ。萩原氏は「弊社の展示場という資産を使って皆様に楽しんでいただけたのであれば、それほどありがたいことはない。これは我々ができる最大の恩返しであり、関係性を繋げる重要な機会だ」と締めくくった。活気を取り戻したTRCの夏祭りは、物流業界におけるコミュニケーションの価値を再認識させる象徴的なイベントとなった。

▲閉幕後、取材に応じた(左)東京流通センター総務部の小澤理絵課長、(右)萩原凱さん