物流、非常警戒時代──迫る火災とサイバーの脅威

イベント物流現場では今、企業のレジリエンスを根底から揺るがす重大インシデントが相次いでいる。アマゾン茨木フルフィルメントセンターで発生した大規模倉庫火災は、自動化設備を含む巨大拠点が停止する現実を突きつけ、火災リスクが単なる“現場事故”ではなく、サプライチェーン全体の持続可能性に影響を及ぼすことを示した。また、アサヒグループホールディングスが受けたサイバー攻撃では、国内外の製造・物流・販売網に広範なシステム障害が発生し、攻撃が常態化する中で事業継続が容易に脅かされる状況が浮き彫りとなった。アスクルが被ったサイバー攻撃でも、EC基盤と物流を支えるデジタルインフラが停止し、配送遅延と顧客影響が連鎖するなど、デジタルと物流が直結する時代特有の脆弱性が明確になった。

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重要なのは、これらのインシデントが“大企業だけの問題”ではないという点である。現場のデジタル依存度が高まるほど、倉庫設備、ITシステム、在庫情報、ロボット、安全規格、BCPは企業規模を問わず一体で機能し、ひとつの障害が全体停止につながりやすい構造に変化している。バックアップ人員や代替拠点の乏しい中小企業ほど影響は深刻化しやすく、規模にかかわらず、すべての物流企業が“自分ごと”として備えを迫られているのが現実である。火災・サイバー攻撃が「物流インフラの核心部」を狙い撃つ段階に入った今、単一領域の対策では限界があり、現場と経営のあいだでリスク認識にギャップが生じやすいことも見逃せない。

求められるのは、火災・サイバー・設備・保険・初動対応を横断的に捉え、物流拠点全体のレジリエンスを再構築する“統合的リスク対策”である。本セミナーでは、火災リスク、サイバー攻撃、自動化設備の安全規格、保険設計、初動対応、BCPなど、持続可能な物流に不可欠な領域を専門家が体系的に解説する。非常警戒時代において、現場と経営が同じ危機地図を共有することは不可欠であり、その判断力と備えは企業価値そのものに直結する。本企画は、混乱が常態化する環境下でレジリエンスを確保するための「実務と本質」を120分で叩き込み、火災・サイバーの脅威が加速度的に深まる今、“見ないこと自体がリスク”となる必須の学習機会となる。

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