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100人体制で、物流の地位向上へ挑む

2026年1月16日 (金)

ロジスティクス東計電算(川崎市中原区)は7日、本年春にバース予約受付システム「INDUSTAR」(インダスター)を投入するとともに、100人の専門家集団による物流の地位向上への取り組みを強化する方針を明らかにした。同社でロジスティクスソリューションをけん引する宮下佳国氏と芝崎創一郎氏への取材で、現場主義のカスタマイズと製品連携を軸とした戦略の核心が語られた。

▲2つの軸の「ロジすぎる」(出所:東計電算)

東計電算の最大の武器は、業種特化型の独立系システムインテグレーター(SIer)として培った組織力にある。ロジスティクスシステム事業部は100人の体制で、営業もシステムエンジニア(SE)も部署異動がほとんどない。これにより、業界特有の専門用語や現場のノウハウが長期間にわたって蓄積され続けている。

宮下氏は「お客様の現場を知らずして、真の解決策は提示できない」と強調する。単にパッケージソフトを販売するのではなく、営業とSEが自ら現場へ足を運び、泥臭くヒアリングを重ねることで、顧客ごとの独自の運用に合わせた緻密なカスタマイズを行う。独立系ベンダーとして特定メーカーに依存せず、あらゆるマテハン機器や外部システムと連携できる柔軟性も同社の強みだ。

▲東計電算の宮下佳国担当課長

同社の物流システム開発の歴史は、30年前に量販店向けの倉庫管理システム(WMS)から始まった。その後、アパレルや医療、食品スーパーなど多種多様な業界のニーズに応え、物流の「点」の業務を最適化してきた。現在、同社が掲げるコンセプトは「ロジすぎる」だ。

▲物流企業向け「ロジすぎる」(出所:東計電算)

これは、WMS、運行管理システム「TRUSTAR」(トラスター)、基幹システム「轟〜TODOROKI〜」など、これまで個別に存在していたシステムを「線」で結び、物流全体を可視化しようとする試みだ。例えば、アパレル業界向けでは海外の検品所から事前出荷情報(ASN)を取得する「ITEM」を展開し、国内入荷時の正確なデータ管理と大幅な効率化を実現している。

▲海外生産・物流管理システム「ITEM」(出所:東計電算)

基幹システム「轟」は、物流・運送業の経営を可視化する力を持つ。特筆すべきは「日々収支の見える化」だ。現場のスマートフォンやデジタルタコグラフと連動することで、その日のうちに「いくら稼いだか」を可視化し、不採算路線の特定や運賃交渉などの迅速な経営判断を支援する。

また、義務化された「実運送体制管理簿」の作成においても、配車データを活用することで事務負担を大幅に軽減する。運行管理システム「TRUSTAR」では、ジオフェンス機能を活用した自動実績収集により、ドライバーの手入力ミスや押し忘れを解消し、正確な現場実績をリアルタイムで経営指標に反映させる体制を整えている。

▲配送管理システム「TRUSTAR」 (出所:東計電算)

26年春(3月-4月予定)にリリースされるバース予約受付システム「INDUSTAR」は、改正物流効率化法への対応を支援する。後発製品ながら、WMSや配送管理システムと連携することで、最適なバース誘導や入荷予定のリアルタイム反映を目指す。

宮下氏は「システムはあくまで道具に過ぎない」とし、システム同士の一貫性やスムーズな連携を現場の声に基づき「走りながら」改善していく決意を示す 。自社データセンターを保有し、サーバーやネットワークのインフラからソフト開発、導入後の保守までを「オール東計」で完結できる体制が、このスピード感を支えている。

取材の終盤、宮下氏は「物流の地位を向上させたい」と熱を込めた。物流現場で生まれる生きたデータを可視化し、それを経営指標に変えていくことで、物流部門が企業経営の主役に躍り出るための土壌を作ることが同社の使命だ。

情報の不透明さを解消し、関わるすべてのステークホルダーがデータでつながることで、物流全体に良い循環を生み出すパートナーを目指す。東計電算の挑戦は、単なるIT導入を超え、物流業界全体の課題解決と社会的地位の向上に向けた「社会貢献」へと広がっている。

▲バース予約受付システム「INDUSTAR」(出所:東計電算)

▲(左)芝﨑氏 (右)宮下氏

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