ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

ホルムズ海峡が実質封鎖状態に、日本船社が回避指示

2026年3月1日 (日)

(イメージ)

国際米国・イスラエルが2月28日にイランへ大規模攻撃を実施したことを受け、イラン革命防衛隊(IRGC)が船舶向け無線(VHF)でホルムズ海峡の全船舶通過禁止を放送した。EU海軍が受信を確認したほか、UKMTO(英国海事貿易運用センター)も複数の船舶から同様の報告を受けたと発表した。世界の石油輸送の2割が通過する同海峡が事実上の封鎖状態に陥っている。

IRGCは「いかなる船舶もホルムズ海峡の通過は認められない」と繰り返し放送。イラン政府としての公式な閉鎖宣言は出ていないが、UKMTOは「法的拘束力はない」と注記しつつ、軍事活動の激化に注意するようアドバイザリーを発行した。国際法上、ホルムズ海峡はどの国も一方的に封鎖できない国際海峡にあたる。ただし保険会社が通過を拒否する動きが広がっており、法的閉鎖ではなくとも実務的な封鎖効果が生じている。

日本船社も回避の動き

海外メディアによると、日本郵船はホルムズ海峡の回避を艦隊に指示した。商船三井もIRGC無線を確認後、船舶を安全海域で待機させていると報じられている。川崎汽船を含む邦船各社の個別対応は明らかになっていないが、2024年の紅海危機では3社とも喜望峰回りに切り替えた経緯がある。

米国政府もペルシャ湾全域で自国船舶にイラン領海からの離隔を求め、ギリシャ海運省は自国船にペルシャ湾・オマーン湾・ホルムズ海峡の完全回避を緊急勧告した。

▲各国・機関の主な対応(2月28日-3月1日)(クリックで拡大)

海上では8隻以上のタンカーがオマーン湾で待機・停船しており、サウジアラビア・イラク・UAE向け原油船のUターンが相次いでいる。カタール向けLNG船も14隻以上が減速・停止した。BIMCO(ボルチック国際海運協議会)によると、ホルムズ海峡の内外には750隻以上の商業船が存在する。報道によると、原油・LNG大手トレーダー複数社も積み出しを一時停止した。

ホルムズ海峡は世界の石油輸送の2割、カタール産LNG(液化天然ガス)が通過する要衝で、混乱が長期化すればエネルギー価格の急騰を通じて世界の物流コストに波及する。戦争リスク保険料はすでに数倍に高騰しており、超大型原油船(VLCC)の日額運賃も20万ドルを超える水準に達したとの報道がある。現時点で機雷敷設や拿捕の報告はないが、BIMCOは「イランは海峡の物理的閉鎖よりも米国・イスラエル関連船の拿捕を狙う可能性が高い」と警告している。

SNS上ではIRGCのVHF放送音声とされる動画が急速に拡散し、物流関係者の間で警戒が広がっている。事態は数時間単位で変化しており、続報を配信する。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。