調査・データ宮崎県は2月27日、県内企業を対象に実施した「価格転嫁に関するアンケート調査」(令和7年度)の結果を公表した。原油・原材料価格の高騰が続くなか、価格転嫁は一定程度進んだものの、発注側との交渉が十分に進まない実態や、労務費・エネルギー費での転嫁の弱さが浮き彫りとなった。
調査は「価格転嫁の円滑化に関する協定」に基づき、商工団体などを通じて電子申請で実施。調査期間は2025年9月26日から11月14日までで、回答数は438件(法人307件、個人事業主131件)だった。業種や地域は幅広く、県内の実情を反映した内容となっている。
原油・原材料価格の高騰により「調達コストの影響を受けている」と回答した割合は87.4%に達した。一方、直近6か月間に発注側企業へ協議を申し入れ、話し合いに応じてもらえたのは42.6%にとどまり、前回調査から低下した。自社で吸収可能と判断して交渉を見送った企業は32.4%、発注量減少や取引中止を懸念して申し入れなかった企業も18.0%を占め、交渉回避の傾向が続く。
価格転嫁の実態では、コスト上昇分を一部でも転嫁できた企業は64.5%と、前回から1.7ポイント改善した。内訳を見ると、原材料費の転嫁率が66.0%と比較的高い一方、労務費は56.4%、エネルギー費は52.0%にとどまる。中にはコスト上昇にもかかわらず取引価格が減額されたとの回答もあり、労務費で7.8%、エネルギー費で5.5%と無視できない割合となった。物流業を含む労働集約・エネルギー多消費分野では、価格転嫁の難しさが依然として大きい。
発注側の姿勢を示す「パートナーシップ構築宣言」の実施率は11.0%と前回から上昇したが、未実施が大半を占める。宣言しない理由としては「必要性・メリットが感じられない」「内容が分からない」が多かった。行政に期待する支援では、「生産性向上を目指した取組への支援」が28.2%で最多となり、次いで「価格アップへの理解を促すPRやセミナー」が23.6%だった。
価格転嫁は前進しているものの、交渉力や構造的な制約が残る。物流現場では、コスト可視化や生産性向上とあわせ、発注者との関係改善が引き続き重要なテーマとなりそうだ。
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