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港湾・道路・物流現場で「大模型智能体」活用が本格段階

中国で交通×AI実装を推進、先進事例102件選定

2026年1月29日 (木)

国際中国・交通運輸部は28日、「総合交通運輸大模型智能体」(大規模AIモデルを活用した知能エージェント)の革新的活用事例として、第1弾となる102件の典型ケースを公表した。これは「人工知能+交通運輸」政策の一環として実施した全国コンテストの成果をまとめたもので、鉄道、道路、港湾、航空、物流、安全監督まで幅広い分野でAI(人工知能)の現場実装が進んでいる実態を示している。

選定事例は「技術・イノベーション」「運営・サービス」「安全・監督」「政務・管理」の4分野に分類され、港湾のデジタルツイン制御、無人物流システム、高速道路の全域AI運用、危険物物流の自動監査など、物流・インフラ運営に直結するテーマが数多く並ぶ。

技術分野では、都市鉄道の中核部品を対象とした故障検知・保全支援AIが実用化段階に入っている。振動や温度、電流、画像など複数データを統合し、車両の軸受やギアボックスの異常を秒単位で特定。蘇州の地下鉄での実証では検出精度97-98%を達成し、点検効率を25%向上させた。

港湾物流に直結する事例としては、コンテナターミナルの意思決定をAIが担うデジタルツイン型管制システムが採択された。バース配分、ヤード運用、荷役計画をリアルタイムで最適化し、港湾全体の処理能力向上を狙うもので、中国港湾のスマート化が運営中枢レベルへ進化していることを示す。

道路物流インフラでは、大規模交通データとAIを組み合わせた路網運行分析智能体が実装されている。四川省の高速道路区間では、従来数週間かかっていた流量分析が数十分に短縮され、渋滞時間帯の平均速度が2割改善。保全コスト削減や人員負荷軽減にもつながったという。

また、ドローンとAI画像解析を活用した「空陸協調型巡回システム」は、路面損傷や橋梁亀裂、斜面崩落リスクを自動検知し、保守対応を即時指示する仕組みとして大規模展開されている。吉林省では5000キロ超の高速道路網に適用され、巡回効率は従来比6倍以上に向上した。

運営・サービス分野では、港湾全要素スケジューリングAI、船舶調度のマルチモーダル最適化、エネルギー輸送の需給保証智能体など、サプライチェーン全体を俯瞰する管理型AIが目立つ。さらに危険物物流を対象に、輸送過程を通じてリスクを評価・管理する大模型活用型サービスも登場している。

今回の事例集からは、中国のAI活用が単なる業務支援ツールの域を超え、交通・物流インフラの意思決定中枢に組み込まれ始めている構図が読み取れる。点検自動化や需要予測にとどまらず、運行計画、保全投資、リスク管理をAIが主導するフェーズへ移行しつつある。交通運輸部はこれらの事例を「今後の業界実装モデル」と位置付け、全国への横展開を進める方針を示している。

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