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ボット1台のスモールスタート・超高密度保管で「止めない・無駄のない自動化」実現

日本発の新型ケース自動倉庫「NINBUS」

2026年8月27日 (木)

話題日本の物流・製造現場では人手不足が深刻化し、都市部を中心に保管スペースの枯渇も大きな経営課題となっている。従来型の自動倉庫は高い天井やまとまった矩形スペース、大掛かりな工事や初期投資を要する場合が多く、自動化を断念するケースも少なくない。

こうした課題に応えるべく、ハードからソフトまで全領域を国内で自社開発するROMS(ロムス、東京都品川区)が生み出したのが、新型ケース自動倉庫「NINBUS」(ニンバス)だ。

▲「NINBUS」

全体像ー必要な機構を、すべてボット1台に内蔵

名称「NINBUS」は、雲を意味するラテン語Nimbusに由来する造語だ。滑らかに流れる稼働イメージに加え、「m」を「n」に替えることで、従来製品「Nano(Nano-Streamなど)」から受け継ぐDNA―小型化設計技術と知能化搬送―を礎とすることを表す。この細部への拘りはROMS製品に通底し、同社公式サイトの連載「Nano-Stream徹底解説」でも紹介している。

NINBUSは、1台の3次元走行ボットが走行・昇降・移載を自己完結する。棚内を自ら昇降してケースを取り出し、そのまま地上面を走行して入出庫ステーションまで運ぶ。貨物用エレベーターでも搬入でき、変形地・狭小スペースなど、従来型では導入を諦めていた既存建屋にも設置しやすい。

この「1台完結」は設備の置き方そのものに効く。通常なら、楽な姿勢でのピックのための昇降機構、既存設備とつなぐリフター、多列の奥から取り出す追加動作を、棚やステーション側に用意することになる。NINBUSはこれらをすべてボット側に内蔵した。周辺に設備を足さず1台が持つ――この設計が現場での使い勝手のほとんどを規定する。

入庫・保管ー届いた形のまま受け入れ、空間を使い切る

入庫では、空コンテナまたは仕切りで区切られた空きスロットのあるコンテナがステーションへ運ばれ、作業者が商品を入れる。1つのコンテナ内を仕切って複数SKUを収めることが出来るため、少量多品種の入荷でもコンテナの容量を最大限活用できる。

保管容器はコンテナに限定されない。コンテナと同外形のトレーも扱えるため、入荷した段ボールを載せてそのまま保管できる。製造業の箱単位入荷のように、別容器へ移し替えることなく届いた形のまま保管へ流せるため、入庫工数の多くを占める移し替えの工数を削減できる。棚の段ピッチは荷姿に合わせて設計するため、背の高い荷物も収まる。

保管には1棚最大4列の「クワトロディープ」を採用し、両面最大8列、走行路としてデッドスペースになりがちな最下段までを保管に活用する。同一設置面積で従来の軽量棚と比べ3倍(有効天高5.5mの場合)の保管立米を確保でき、増床に踏み切る前に既存スペースの収納力を引き上げる選択肢となる。

ピッキング・出荷ー同じ動作が、いくつもの役割を果たす

多列保管では、奥のコンテナを取り出すのに時間がかかることが多い。NINBUSは、最少の動作でコンテナを引き出せる独自技術により、保管効率を上げると出庫が遅くなるというトレードオフを解消している。また、最下段と2段目はボット本体を昇降させずに出し入れでき、高頻度品をここへ寄せればピーク時もさばける。

ステーションは、コンテナを1つずつ扱うシングルサイクル型と2つを同時に扱うデュアルサイクル型があり、1台あたりの設計能力は最大300行/時間、600行/時間。デュアル型は同じ人員配置で倍の行数を処理できる。機体が大きく費用も相応にかかるため、能力・設置面積・コストの兼ね合いで選ぶ。両者は混在でき、出荷が集中するステーションをデュアル型とし、それ以外をシングル型にすることも可能だ。

デュアル型では2つの使い方を選べ、あとから変更もできる。在庫側と出荷用のコンテナを処理順に同時到着させれば、在庫側からアイテムを取り出し出荷側のトレーに載せた段ボールへ商品を入れるだけで、ピッキングと梱包を一箇所で終えられる。2つとも在庫側として同時にピッキングすれば、コンテナの入れ替えが頻繁なオーダーでも次を待たず手が止まらない。

ボット本体は400ミリ以上のストロークを持つリフターを備え、コンテナを作業者にとって楽な高さまで持ち上げて差し出す。1日に数百回繰り返される動作だからこそ、この差は疲労と生産性に直結する。

ボットがすることは単純だ。コンテナを持ち上げ、運び、置く。この動作を組み合わせているだけだが、現場の用途は広がる。

ピッキング途中の出荷用コンテナは自動倉庫内へ戻せるため、欠品中の商品が入荷した段階で呼び出して続きを処理でき、全点がそろうまで着手を止める必要がない。オーダー完了品も出荷までの一時バッファとして棚へ戻せる。そこから便別などに呼び出す順立て出庫も可能で、積み込み直前の並べ替えが発生しない。


保管、ピッキング、仕掛り保留、出荷バッファ、順立て——いずれも専用の設備やエリアを立てるのが従来の考え方だった。NINBUSは同じ棚とボットが、呼び出す順序と戻す先を変えるだけでそれぞれの役割を果たす。後から用途を増やしても設備も床面積も増えない。

周辺設備との接続も、ボットが内蔵コンベヤとテーブル昇降で高低差を吸収する。接続部ごとのリフターを挟まず既存のコンベヤーや梱包機へ直接つながるため、安価かつシンプルだ。走行エリアを棚の外へ延ばせば、次工程の作業台やラインサイドまで運びきる構成もとれる。

制御・運用ー止めず、無駄なく動かし続けるAI

NINBUSは、単体ボットの速さよりも、システム全体を止めずに動かし続けることを重視する。独自の自律分散制御AIはシステムをモジュール化して制御し、特定の区画やボットに異常が生じても隣接区画が役割を補完するため、システム全停止が起きない。一部が停止しても出荷業務は流れ続け、当日の出荷計画を組み替える必要はない。走行エリアの混雑も評価し、渋滞の予兆段階で迂回ルートを割り当てる。

空いた時間の使い方も同様だ。システムは稼働状況を見て、手の空く時間帯に片づけるべき作業を提案する。一つは循環棚卸で、営業を止めて一斉に数える必要がない。もう一つは断片化した在庫の整理だ。出荷が進むと同じアイテムが複数のコンテナに散らばり、スロットの使用効率が落ちていく。システムはこれを検知して統合すべき組み合わせを提示し、承認すればボットがコンテナを運び、作業者が移し替えることで保管密度を高く保てる。

導入・拡張ー小さく始めて、止めずに広げる

NINBUSは「ボット1台・棚1連」の最小構成から導入し、事業成長や季節変動に合わせて現場を止めず拡張できる。買い切りやリースに加え、月単位でボットを利用できるRaaS(Robotics as a Service)モデルも用意。立ち上げ時は最小構成で始め、繁忙期だけ追加レンタルする運用も可能だ。

なお、既存モデル「Nano-Stream」も引き続き展開し、スペース条件や規模によって最適なモデルを提案することを予定している。

NINBUSは、2026年9月8日(火)から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「国際物流総合展2026」(ROMSブース:E7-ZJ09)で実機デモを初公開する。

「NINBUS」オンライン見学会
テーマ:NINBUSがスモールスタートに最適な理由
日時:2026年9月24日(木)14:00ー15:00
お申し込み:
https://40z370.share-na2.hsforms.com/2FpRcn2fiSTSNA3wlD4yOMQ