財務・人事東海汽船は5日、山崎潤一代表社長が10月31日付で代表取締役社長と取締役を辞任すると発表した。2日に関東運輸局から受けた行政処分に至った一連の事案について、経営責任を明確にするためとしている。11月1日付で、倉崎嘉典常務取締役執行役員管理本部長が代表取締役社長に就任する。山崎氏は辞任後、顧問に就く。
同社を巡っては、2026年1月以降の立入検査などで、船長を含む乗組員による旅客運送中の飲酒や、アルコール検査を実施していないにもかかわらず「ゼロ」と記録する運用、検査の替え玉受検、舷門を閉鎖しないままの運航などが確認された。関東運輸局は8月、安全統括管理者と運航管理者の解任命令や輸送の安全確保命令を出し、10月2日には一般旅客定期航路で使用する船舶3隻について、10月9日から28日まで20日間の使用停止を命じた。
違反点数は東京―八丈島航路が92点、東京―大島―神津島航路が96点、熱海―大島航路が38点に達した。いずれも事業停止命令を検討する基準の一つとなる累計16点を大幅に上回ったが、地域住民の生活交通への影響や同社が提出した改善計画の内容を踏まえ、事業停止ではなく一部船舶の使用停止となった。
東海汽船はあわせて、経営責任を明確にするため役員報酬の一部を自主返納すると発表した。山崎社長は月額報酬の80%を1か月返納するほか、倉崎常務は30%を2か月、竹崎啓介取締役は20%を2か月返納する。常勤監査役2人は10%を2か月、社外取締役3人と社外監査役1人はそれぞれ10%を1か月返納する。返納は10月から実施する。
後任の倉崎氏は1985年に日本興業銀行、現みずほ銀行に入行し、2015年に東海汽船へ入社。内部統制部長や総務部長などを経て、25年3月から常務取締役執行役員管理本部長を務めている。同社は新体制の下で、改善計画に基づく安全管理体制とコンプライアンス体制の強化、安全文化の再構築を進めるとしている。
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