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14年度は対前年18%増

国内ECの決済代行市場、18年度に2倍増

2014年4月7日 (月)

EC市場調査機関のミック経済研究所(東京都港区)は7日、国内EC(電子商取引)のネット決済代行サービスを対象とした「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望2014年度版」を発刊したと発表した。

調査結果によると、ネット決済代行サービス市場規模は2013年度で1355億円、14年度で前年度比18%増の1599億円となる見込み。14年度から18年度まで年平均成長率16.5%増で推移し、18年度には2912億円の市場規模になると予測した。

経済産業省の電子商取引市場調査によると、日本の消費者向けEC市場(BtoC)規模は、12年に対前年12.5%増の9兆5130億円に拡大し、二桁増の好調な伸びを示している。EC化率も11年2.83%から12年は3.11%へと0.28ポイント(増加額1兆540億円)拡大している。

衣料・アクセサリー小売業、医薬化粧品小売業、宿泊・旅行業、飲食業などが大きく伸び、順調な成長が続いている。EC利用者の増加と、EC利用者の年間のEC利用額が増えていることが主な要因となっている。またスマートフォンを含む携帯電話とパソコン、タブレット端末といったインターネットにつながるデバイスの普及も、オンラインビジネスの活性化につながっており、消費者にとってECをより身近なものにしている。

また、「誰でも簡単にECサイトを立ち上げることができるサービス」やヤフーの出店無料化などの影響もあり、ECに新しく参入する事業者や個人が増加。さらにEC専業の中小規模ショップだけでなく、ECサイトと実店舗の両方を持つ事業者や直接消費者に販売するメーカー直販サイトなど、ネット決済代行サービス事業者にとっての顧客が増えている。カタログ通販やテレビ通販などの従来型の有力通販企業がECに注力するようになっている。

有力企業のECへの参入と新しいECショップの増加は、多くの中小規模のショップにとっては、競争がより激しくなる原因となり、利益確保のためにより固定費の削減が課題となっている。そうなるとネット決済代行事業者は手数料率や月額費用などの値下げを迫られるため、取扱量は急増しながらも、EC事業者、決済代行事業者同士の価格競争が激しさを増してきている。

国内EC市場の競争激化を背景にネット決済代行サービスを提供する各社は、アジアを中心に海外での決済代行サービスの展開や実店舗向けの決済ビジネスなど、事業の領域そのものを拡げる動きも目立ってきているが、今後も国内のEC市場は堅調な伸びが続き、EC化率の上昇が見込まれ、ネット決済代行サービスも好調な推移が続くとみられている。

ネット決済代行サービス市場規模推移(グラフ)

国内ECの決済代行市場、18年度に2倍増