サービス・商品日本電気(NEC)は22日、既設の通信用光ファイバーを活用し、突発的な渋滞をリアルタイムかつ高精度に予測する技術を開発したと発表した。光ファイバセンシングで道路全線の交通流データを収集し、独自のAI(人工知能)モデルで解析する仕組みで、旅行時間の予測誤差を従来比で80%低減できたという。
物流業界にとって高速道路の渋滞は大きなボトルネックであり、輸送効率やドライバーの労働時間に直結する。従来のカメラやループコイル、ETC2.0プローブデータでは道路全線をカバーできず、突発的な渋滞の拡大過程を捉えることが難しかった。NECの新技術は、既存インフラをセンサーとして利用し、渋滞発生直後から解消までを高精度にシミュレーションする点が特徴だ。
同社は、モデルパラメーターの最適化やデータ変換アルゴリズムを組み込んだデータ同化技術を開発。これにより、交通流の平均速度から各車両の位置や速度を推定し、シミュレーションに反映することで信頼度を高めた。実環境での実証実験では、渋滞予測の誤差低減が確認されている。
NECは、動的な道路デジタルツインの実現に向けて技術開発を継続し、2026年度までの実用化を目指す。今後は道路管理者との連携を強化し、物流の停滞解消やCO2削減など社会課題の解決に寄与するとしている。
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