伊藤忠商事、マルチテナント型物流施設開発に参入

拠点・施設伊藤忠商事は9日、「総合商社ならではの顧客ネットワーク」を活かし、物流不動産開発ビジネスを加速すると発表した。新たな事業モデルを構築し、資産規模の拡大を図る。

これまで同事業の中心として取り組んできたBTS型物流施設の開発に加え、新たにマルチテナント型物流施設へとビジネスモデルを拡大する方針。今後3年をメドに1000億円を目指して優良投資資産を積み上げる。将来的には金融市場・資本市場を注視しながらJ-REIT設立も視野に入れて検討する。

また、シンガポール政府系の投資会社「テマセク・ホールディング」傘下のメープルツリー・インベストメンツと新たな共同事業スキームを組成した。

この事業スキーム活用をすることにより、メープルツリーのグローバルマーケティングネットワークを活用した共同顧客開拓、効率的な投資スキーム構築が可能となり、相互にリソースを活かした共同投資プロジェクトを推進する。

共同事業プロジェクトとして、新たに大阪府堺市でマルチテナント型物流施設（総事業費200億円、延べ床面積4万坪、2016年竣工）の開発に着手する。

同社は2004年以降、他社に先駆けて物流特化型の私募ファンドを組成・運営し、国内でのBTS型物流施設をコアビジネスとして捉え、物流不動産開発に取り組んでおり、これまでの投資実績は事業規模2000億円、総延床面積100万平方メートルとなっている。