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一斉連絡手段途絶えた東日本大震災教訓に

茨城大、BCP対策で屋外設置式コンテナ型データセンター導入

2014年10月20日 (月)

拠点・施設茨城大学は20日、日立製作所の屋外設置式コンテナ型データセンター「フレキシブルデザインコンテナ」を導入したと発表した。

全学生・教職員9000人が利用する教育研究・校務用システム「電子計算機、ネットワークシステム」のサーバなど機器群を、校舎内のサーバ室からコンテナ内に移設し、10月からプライベートクラウド基盤として本格的に利用を開始した。これにより、災害時のBCPを強化する。

これまで同大学では、電子計算機、ネットワークシステムを校舎内のサーバ室に設置し、運用・管理していたが、2011年3月に発生した東日本大震災では、校舎の停電によって全システムが停止し、5日間にわたって受験生・学生への情報発信や教職員間の一斉連絡の手段が途絶え、業務の継続が困難となった。

被災した校舎の安全性を確保し、破損した空調システムを復旧するまでに1か月を要し、その間、システムの本格稼働を行うことができなかったことから、こうした反省を踏まえてBCPの強化に取り組み、文部科学省の東日本大震災復興関連事業としてコンテナ型データセンターを導入したもの。

同大学が導入したのは、サイズやレイアウトを柔軟に設計できる「フレキシブルデザインコンテナ」を採用し、床面積46平方メートル(幅8.3メートル×奥行5.5メートル)、高さ3.9メートルのサイズに設計したコンテナ型データセンター。

国土交通省の「官庁施設の総合耐震計画基準」で大震災後にも継続的に機能が確保できる耐震性を表す「施設重要度係数1.5」で設計しており、東日本大震災と同程度の地震が発生した場合にも、内部の機器、システムに影響が出ない運用環境を実現した。

さらに、校舎などと独立させてコンテナ型データセンター用の自家発電設備を設置したことで、校舎への電力供給が停止した場合にも、システムの運用を継続することが可能となった。