ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

JR貨物、新形式機関車シミュレータを導入、事故再現機能も

2014年11月12日 (水)
EF210形式直流電気機関車運転シミュレータ

EF210形式直流電気機関車運転シミュレータ

ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)は12日、動力車操縦者養成所の指定を受けている「中央研修センター」(東京都品川区)で、新形式機関車運転シミュレータ2台を10月に導入したと発表した。

運転士の新規養成、訓練教材として、国鉄時代から使用してきた「従来形式機関車」の実物の機関車をシミュレータとして3両設置しているが、JR化以降に導入したEF210形式直流電気機関車などの「新形式機関車」の割合が増加していることから、既存のシミュレータ1両を撤去し、代わりに「新形式機関車」のモックアップを用いた新形式機関車運転シミュレータを導入した。

EH500形式交直流電気機関車運転シミュレータ

EH500形式交直流電気機関車運転シミュレータ

併せて、新形式機関車のブレーキ機構の理解を促すため、実際の台車を用いたブレーキ制御装置と連動した「ブレーキシステム教材」の設置、実際に発生した運転事故現場の線路状況の再現や、あらかじめ想定した運転事故の線路状況を任意に設定できる機能を持つ「事故発生線路再現ソフトウェア」の導入も行った。

新形式機関車運転シミュレータは、EF210形式直流電気機関車、EH500形式交直流電気機関車の運転室と、機械室の一部の車体部分をモックアップで製作し、運転室には実際の機関車と同じ運転機器を、機械室には機関車の走行、運転士の取扱いに重要な電気回路の保護機器などを配置している。

運転席モックアップの前方に設置した液晶モニタに線路沿線のコンピューターグラフィック画像を描写し、運転機器の操作に連動した走行条件を再現させることが可能。また、運転機器と機械室の一部の機器が連動しており、故障時の応急処置などの訓練を行うこともできるという。

ブレーキシステム教材

ブレーキシステム教材

 

ブレーキシステム教材は、運転機器を取り付けた簡易運転台の機器を操作することでブレーキシステム内部の作用を液晶モニタで確認できるとともに、実際の台車のブレーキ装置を作動させることができる。

事故発生線路再現ソフトウェアでは、線路や信号、標識のパーツを自由に組み合わせることによって、実際に発生した事故現場や想定した事故現場を再現し、運転シミュレータ前面の液晶モニタに描写することでその区間の模擬運転が可能になる。

新形式機関車運転シミュレータ、ブレーキシステム教材は10月から新規運転士養成、関東支社所属運転士の訓練に活用しており、事故発生線路再現ソフトウェアは、支社ごとに導入する「運転士異常時対応訓練シミュレータ」の整備に併せて支社ごとの運転士訓練に活用する。

設置していた「EF65形式直流電気機関車運転シミュレータ」は、今回の新形式機関車運転シミュレータの導入に伴い撤去した。