財務・人事SBSホールディングスが14日に発表した1-9月期決算は、3PL事業で新規受注を獲得したほか、太陽光発電事業などに147億円を投資する活発な事業拡大策により、8.6%の増収(前年同期比)となった。損益面でも、私募ファンドへの物流施設譲渡益などが大きく寄与し、営業利益が2.1倍増、純利益は4.4倍に拡大した。
主力の物流事業では、3PL事業で大手ドラッグストアやスーパー向け物流センター運営などの新規受注を獲得したほか、大手食肉加工企業向け3PL、大手百貨店の通販・宅配向けセンター業務などが稼働。
物流業界で人材不足が深刻化する中、人材事業が人手不足を追い風に好調に推移し、営業所の新規開設や整備を進めて営業エリアを拡大した。
また、海外事業はASEAN地域で事業を加速するため、シンガポールの現地法人2社を合併。シンガポールでドレージ会社を取得し、同国のコンテナ輸送事業に参入を果たした。
7月にはアジアで急成長しているインドのフォワーダー「トランスポール・ロジスティクス」の株式を取得しており、中期経営計画で打ち出している「2017年度海外売上高300億円」の達成に布石を打った形。
8月には、前の期に保有物流施設の信託受益権の51%を組み入れた私募ファンド「SBSロジファンド1号」に対して残り49%を譲渡。回収した資金55億円をM&A、施設開発へ再投資する、同社独自の「物流と金融の融合ビジネスモデル」を拡大していく。
このほか、期中にはグループ経営基盤の強化に向け、SBSロジコム、SBSフレックの2社を対象に、管理業務のうち人事、総務、経理、運輸安全などの業務、人員をSBSHDに集約。グループ間接業務のシェアードサービス化をさらに進める体制を整えた。
通期は売上高1370億円(3.6%増)、営業利益48億円(15.9%増)、最終利益35億円(2.2倍増)の前回予想を維持する。
[SBSホールディングス]2014年12月期第3四半期連結決算(単位:百万円)
2014年12月期第3四半期 | 2013年12月期第2四半期 | 増減 | |
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売上高 | 103,150 | 94,943 | 8.6% |
営業利益 | 3,288 | 1,542 | 113.2% |
経常利益 | 2,933 | 1,277 | 129.7% |
当期純利益 | 2,501 | 567 | 340.8% |