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今治造船、10月竣工貨物船に次世代設備・素材

2015年1月6日 (火)
今治造船、10月竣工貨物船に次世代設備・素材

▲エアロ・シタデル

荷主今治造船は6日、10月に竣工する予定の20万6600載貨重量トン型ばら積み運搬船に、次世代型居住区「エアロ・シタデル」と、新日鉄住金が開発した高延性造船用鋼板「Nセーフハル」をダブル装備する、と発表した。

海賊から船員を守る居住区の安全性と、船体の衝突安全性に優れた鋼板を適用もので、既に独立行政法人海上技術安全研究所との衝突シミュレーションを実施し、高い安全性能が確認されている。浸水防止や貨物保護、深刻な環境汚染につながる油流出の防止の役割を担う。

今回、適用する船舶には貨物倉船側部、燃料タンク部などの高い衝突安全性が求められる場所に、合わせて2000トンのNセーフハルを採用する。

エアロ・シタデルは、2013年6月に竣工した9万5000載貨重量トン型ばら積み運搬船に初めて搭載され、昨年、シップ・オブ・ザ・イヤー2013を受賞した。

これまで居住区の外側にあった階段を内部に収納することで海賊の侵入を防ぎ、船員の安全な航海を支える機能を強化しつつ、上部構造の形をスリムな流線形にすることによって、風圧抵抗の削減を実現する。

Nセーフハルは、従来の施工性を維持しながら高い延び性を備え、船舶の衝突安全性を高めることができる。船舶に適用した場合、船舶側面から衝突された際に穴が開くまでの衝撃吸収エネルギーが3倍となり、従来の鋼材に比べて船体に穴が開きにくくなる。