ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

14年度のJR貨物輸送動向、車扱減少響き2.2%減

2015年4月16日 (木)

ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)が15日に発表した2014年度の輸送実績(速報値)によると、上期は自然災害による影響が少なく前年を上回って推移したものの、下期に入って台風18号に伴う東海道線の不通、景気回復の停滞感による生産減、前の年の消費税増税に伴う駆け込み需要の反動が響き、年度全体では前年を下回った。

コンテナは農産品・青果物は北海道産の玉葱を中心とした野菜類、民間流通米、政府米(飼料米)が増送。食料工業品では新潟地区の菓子類が好調な発送を継続、紙・パルプ、積合せ貨物、化学薬品で前年を上回った。

一方、自動車部品の現地調達化、家電・情報機器(白物家電)、化学工業品(洗剤など)が消費税増税後の反動による買い控えで減送となった。これらの結果、コンテナ全体では0.1%増とほぼ前年度並みの荷動きで着地した。

車扱貨物は、北海道地区の石油輸送終了、暖冬による石油関係の需要減により、全体で7.6%減少した。車扱貨物の減送でコンテナ・車扱の合計輸送量は2.2%減少した。

運行状況は、10月の台風18号の上陸に伴う東海道線の不通のほか、台風8・11・19号(7月中旬、8月中旬、10月中旬)の接近・上陸に伴う輸送障害や12月に爆弾低気圧による輸送障害が発生したほか、6月の江差線での貨物列車の脱線事故、7月の中央西線不通の影響などにより、高速貨物2034本(前年度比304本増)、専貨170本(113本増)が運休した。

3月度のコンテナ貨物は、前年3月が消費増税前の駆け込み需要のピークを迎えていたことから、前年同期比5.4%減となったが、前々年の同期比では6.5%増となっている。

農産品・青果物では北海道産の玉葱を中心に野菜類の出荷が好調、鉄道へのシフトが進んでいる積合せ貨物も前年を上回った。ほかの品目は前年に及ばなかったものの、大半が前々年を上回った。車扱は150メートルレール輸送が開始となったが、北海道の石油輸送が終了していることもあり、車扱全体では前年比21.1%減となった。コンテナ・車扱の合計は10.2%減で、前々年比では1.8%増。

3月は発達した低気圧接近に伴う暴風雪の影響、羽越線の強風、東海道線の人身事故の影響により、高速貨57本が運休となった。前年は高速貨59本、専貨2本が運休。