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譲渡時と同額の10億2200万円で取得、6年ぶり

乾汽船、イヌイ運送のセンコー持分買戻しで合意

2015年5月19日 (火)

M&A乾汽船は、2009年4月(当時の社名はイヌイ建物)にセンコーへ譲渡したイヌイ運送の株式51%を譲渡額と同じ10億2200万円で買い戻す。19日に乾汽船がセンコーと合意したと発表した。

イヌイ運送は1968年に創立された引っ越し事業中心の運送会社で、センコーへの株式譲渡前は法人向けの転勤引越や一般家庭の引越を手がけていたが、センコーの連結子会社となったのを機に、法人転勤引越と事務所移転を事業の中核に位置づけるようになった。

センコーは当時、引越事業の拡大を目指して、イヌイ建物からイヌイ運送の株式51%を10億2200万円で取得。物流と不動産事業へのシフトを進めるイヌイ建物は、株式譲渡と同時に社名をイヌイ倉庫へと変更し、センコーと共同でイヌイ運送の引越事業をバックアップするとしていた。

こうした経緯で6年にわたった共同の取り組みだが、乾汽船はイヌイ運送の株式を買い戻すことになった理由として「一定の成果は得られたが、近年の厳しい事業環境の下、さらなる事業の成長には経営の一元化が適しており、当社がセンコーの出資分を引き取ることで合意に至った」と説明している。

イヌイ運送の業績は、2013年3月期時点で譲渡当時とほぼ同水準の28億円強となっていたが、直近では27億円とやや減収傾向にある。最近3期の営業利益は2200万円、3000万円、6000万円と増加基調で推移している。