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SBSHD鎌田社長、「規模から質へ」の成長戦略語る

2026年2月13日 (金)

ロジスティクスSBSホールディングス(HD)は13日、2025年12月期決算と新中期経営計画の説明会を開催した。当期の連結業績は、売上高が前期比9.4%増の4903億4400万円、営業利益が20.3%増の212億9500万円となり、売上高と純利益で過去最高を更新して3期ぶりの増収増益を達成した。

この好調の背景には、新規顧客の獲得やSBS NSKロジスティクスなどの新規連結効果に加え、長年の課題であった不採算拠点の収支改善や料金適正化といった収益構造改革が着実に進展したことがある。主力の物流事業は売上高が9.5%増の4602億3300万円、営業利益が28.9%増の118億8800万円と大きく伸ばしており、不動産事業においても野田瀬戸物流センターA棟の流動化などが寄与して増収増益を確保した。

▲SBSホールディングス鎌田正彦社長

説明会では同時に、2030年度を最終年度とする5か年の中期経営計画「Harmonized Growth 2030」が発表され、売上高7000億円、物流事業の営業利益率4.5%という目標が掲げられた。鎌田正彦社長は、これまでの積極的なM&Aによって連結売上高が5000億円規模に迫る一方で、物流事業の利益率が2.6%台にとどまっていた「成長の質」の課題を率直に認め、今後はトップラインの拡大と利益率向上を両立させる「均整のとれた成長」へ舵を切る方針を示した。戦略の柱は、3PL、国際、EC(電子商取引)の成長3分野に自社開発倉庫投資を組み合わせる「オーガニック成長」と、メーカー物流や配送網を補強する「インオーガニック成長(M&A)」の2軸であり、特に冷凍・冷蔵物流を「ブルーオーシャン(勝ち筋)」としてプラットフォーム化を急ぐ計画だ。

海外戦略の要として期待されるのが、2025年4月に株式を取得したオランダの物流企業、ブラックバード・ロジスティクスの活用だ。同社を欧州における事業基盤の核として位置づけ、既存のグループ顧客が欧州展開する際の受け皿としての機能を強化する方針が語られた。単なる現地拠点としての活用に留まらず、SBS東芝ロジスティクスやSBSネクサード(旧SBSリコーロジスティクス)が持つ国内の営業ネットワークとブラックバード社の欧州ネットワークを緊密に連携させることで、日本・アジアから欧州までを一気通貫でつなぐグローバル・サプライチェーンの構築を加速させる計画だ。

また、欧州での業容拡大に向けたインオーガニック成長の足掛かりとしてもブラックバードを活用する。同社が持つ欧州市場での知名度や運営ノウハウを生かし、さらなる現地でのM&Aや提携を推進することで、欧州における「SBSブランド」の確立を目指す。説明会では、こうした海外子会社とのシナジーを通じて、国内荷主から未開拓であった国際物流業務を取り込み、提供サービスの高度化・複合化を実現していく姿勢が改めて強調された。

さらに、今回の新中計で掲げられた「構造改革」の重要施策として、人員構成の最適化とそれに関連する「内製化」の推進が詳しく語られた。説明会では、現場運営の安定化を目的として、これまで依存しがちであった人材派遣や業務請負の割合を縮小し、パート・アルバイトを含めた直接雇用の比率を引き上げていく方針が示された。また、トラック新法の施行を見据え、自社車両を増強し自車比率を引き上げることで、コストコントロールの徹底と、物流波動に左右されない堅牢な運営体質の構築を同時に進める。

物流施設開発についても積極的に推進するとし、満床となった野田瀬戸A棟の受け皿として建設中の千葉・富里物流センターを活用する一方、野田瀬戸の隣接地域にB棟の建設を計画。また、中計資料では記述がなかったが、埼玉・羽生の日本精工(NSK)拠点近くにも独自の拠点開発を行うという計画が明かされた。

質疑応答では、25年に連結化したブリヂストン物流の垂直立ち上げについても具体的な言及があった。メーカー系子会社は外販を取り込むノウハウが少ないことなどから低収益体質出あることが多いが、鎌田社長は、単にタイヤ輸送を請け負うだけでなく、圧倒的なシェアを持つ同社の配送網を「タイヤ物流プラットフォーム」として他社へも開放する方針を説明した。これにより、帰り荷の確保や積載率の向上をグループ主導で進め、早期に物流事業の目標利益率である4.5%水準まで引き上げる道筋を示した。続いて、ブリジストン以外のタイヤを運ぶにあたり、タイヤ物流の標準化を進めるのかという問いに対しては、「各社に提案しているが、すぐに(業界全体での)実現をするのは難しいだろう」との見解を示した。

また、完成車輸送大手であるゼロの株式を保有し続けるのかという問いに対し、鎌田社長は、「これまでは配当を受け取るだけの立場だったが、ブリヂストン物流がグループに入ったことで(タイヤと完成車の輸送を組み合わせるなど)シナジーが生まれる可能性が出てきたため、保有を続ける」との展望を語った。

SBS、低温物流を「勝ち筋」に据え利益率改善へ

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