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福山通運、執行役員が下請と不正取引、6億円着服

2016年2月5日 (金)

事件・事故福山通運は5日、同社の営業担当執行役員が、取締役を兼務していた子会社の「ジェイロジスティクス」で下請事業者との取引で水増し請求を行わせ、着服していたと発表した。着服額は、同社が現時点で把握しているだけでこの取引先による着服を含めて6億円に上るという。

執行役員による水増し請求と着服が判明したことを受け、同社はジェイロジスティクスと利害関係のない公認会計士、弁護士を含む内部調査組織を設置する。

福通によると、この不正行為が発覚したのは「1月の終わりごろ」で、事実関係の概略が判明したことを受け、同社は5日に取締役会を開き、この執行役員を解任した。

執行役員は、ジェイロジスティクスの取締役を兼務していたが、昨年6月の株主総会のタイミングで、「今回の不正とは関係のない事案」で退任。ジェイロジスティクスの業務とは距離を置き、昨年6月から今月5日まで福通本体で営業業務に携わる執行役員として活動していた。

同社は「会社経営に携わる者による行為であり、本来、あってはならないこと」とコメント。一方、不正行為が業績に与える影響を調査するのに「相応の時間を要する」として、2月9日に予定していた第3四半期決算の発表の延期を申請する。発表は3月上旬頃にずれ込む見通しだという。

当面は内部調査委員会で事実関係の把握に努めるが、最終的には刑事告訴に至る見通しで、3月上旬までに事実関係の調査と再発防止策の策定を含め、何らかの対応策を打ち出す方針。