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国交省が事業許可、4月から同一起終点、同一料金開始

首都圏の高速料金見直しゴーサイン、大型車は?

2016年3月2日 (水)

話題国土交通省は1日、首都圏の新たな高速道路料金について、高速道路会社に対し、事業許可を行った。新たな料金体系の柱となっている「同一起終点同一料金」により、4月以降は圏央道を利用した場合と都心部を抜けた場合の料金が同じになるほか、ETC2.0搭載車はさらに割引率が拡大される。普通車を1とした場合の大型・特大車の通行料金は2.75へ段階的に統一されることとなる。

首都圏の高速料金見直し、大型車はどうなるのか?

コンセプトは「同一起終点、同一料金」
今回の料金見直しのコンセプトは、圏央道を利用しやすくすることで、都心部の道路交通や環境に配慮すること。現行料金だと例えば厚木ICから桜土浦ICまで都心(首都高速)を抜けた場合は普通車で3930円だが、圏央道を経由すると5050円と1120円も割高となる。そこで、同一起終点であれば同じ料金となるよう料金体系を見直し、圏央道を経由しても同額で利用できるようにする。

首都圏の高速料金見直し、大型車はどうなるのか?

また、都心への流入についてもメリットが生じる。現在、外周道路から都心部へ流入する場合の経路は一般国道を除いて10路線あるが、流入交通の分散を図るため、東京外環自動車道を利用して迂回しても外環道の利用分は全額割引となるほか、外環内側から都心環状線内の最短距離の出口までの距離を基本に料金を設定し、どの方向からの流入に対しても、当面は現行の首都高速の上限料金以内を維持する。

ただ、こうした措置を導入した場合、圏央道や横浜横須賀道路のように値下げとなる路線ばかりではなく、1キロあたり36.6円(普通車)を下回る料金となっている道路では、値上げ対象となる。具体的には、第三京浜、京葉道路、千葉東金道路などが値上げ対象となる。

首都圏の高速料金見直し3

第三京浜の場合、1キロあたり現行では15.7円と36.6円を大きく下回っており、一気に調整すると2倍以上の値上げとなってしまうため、激変緩和措置としていったん24.6円まで上げる、2段階の値上げ措置を導入する。

首都高速の大口・多頻度割引は?
現在、最大30%となっている首都高速道路の大口・多頻度割引はどうなるのか。

首都圏の高速料金見直し4

首都高速道路については、物流を支える車の負担が大幅に増加しないよう、2026年3月末までの10年間、現行の最大30%を継続し、中央環状線の内側を通行しないETC車には最大35%まで割引き幅を拡充する。これにより、4月以降は当面、発地と着地が同じであればどんな経路を選択しても料金が等しくなる。

このような料金体系を導入することで、狙い通りに都心の混雑緩和が進むかどうかを見極めたうえで、不十分だと判断されれば26年4月以降、再び料金体系を見直し、都心経由の通行料金を引き上げることも想定。将来的には、これらを組み合わせて、混雑状況に応じて「都心が混雑している時間帯は都心経由の料金を上げ、混雑が収まれば同一料金に戻す」といった機動的な料金の導入を視野に入れる。

首都圏の高速料金見直し2