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TDB調べ、ドーヴァル海運が民事再生手続きの適用申請

2011年12月5日 (月)

話題帝国データバンクは2日、ドーヴァル海運(東京都中央区)が東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けたと発表した。

 

同社は、1973年8月に設立された化学薬品中心のケミカル船運航業者で、ケミカルタンカーなどの海上運送オペレーター業務を柱に、JANZ(日本、オーストラリア、ニュージーランド)航路に強みを持っていた。

 

荷主は海外では米国の石油メジャー、大手ケミカル会社を中心に、国内では大手商社が取引上位を占めていた。積荷は、ベンゼン、パーム油、アンモニアなど石油基礎製品や石油2次製品のほか、近年はバイオディーゼルやバイオエタノールなども扱い、2008年9月期には年収入高約235億8000万円を計上、業界中堅クラスに位置づけられていた。

 

その後は米国経済の低迷が続く中、同国向け太平洋航路が改善に至らず、新造船の投入で扱い量の大きな落ち込みは免れたものの、為替による減収要因もあり、2010年9月期は年収入高約219億8400万円にとどまっていた。

 

さらに、原油価格高騰に伴う船舶燃料費のコスト増や、用船費用の上昇により赤字決算を余儀なくされていた。このためピーク時36隻あった船舶を20隻まで縮小、効率を高めた運航体制で立て直しに努めていたが、円高傾向が続く中で得意先海外企業からの回収の大半がドル建てとなるなど厳しい状況に陥り、自主再建を断念した。

 

負債は子会社に対する保証債務を含めて約150億円。民事再生手続きの申請代理人は吉田広明弁護士(東京都千代田区)で、監督委員には加々美博久弁護士(東京都港区)が選任されている。