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宅配水トップと3位が物流・購買提携、資本関係視野

2016年8月22日 (月)

M&A宅配水事業を展開するナックとアクアクララは22日、将来的な資本関係を視野に入れ、物流、購買、商品開発、品質管理、販売促進など幅広い分野を対象に業務提携すると発表した。

ナックは現在、「クリクラ」のブランドで宅配水事業を展開しており、業界トップ。同事業の売上は130億円程度で推移しているが、収益性は悪化傾向にあり、直近の前3月期決算で営業損益は2億円の赤字に転落している。一方、アクアクララは連結売上高70億円(2015年9月期)、単独業績60億円で売上規模は業界3位。

宅配水事業で競合関係にある両社はともに加盟する「日本宅配水&サーバー協会」を通じて情報交流・意見交換を行うなか、「両社の経験やノウハウを融合することがより良い商品・サービス・品質の提供につながる」と判断した。

両社は今後、ウォーターサーバーや商品商材、製造プラント、販売管理システム、サーバーメンテナンス、物流、衛生管理、品質管理、販売促進――など、宅配水事業全般で提携業務を検討し、物流面では出荷拠点や配送網の共同化に取り組む意向を示している。また、提携による業務効率をさらに高める選択肢として、将来的な資本関係も視野に入れる。

日本宅配水&サーバー協会が公表している統計によると、宅配水の市場規模は推定1286億円(2015年)で前年から8%拡大しているが、12年頃までのような高い伸び率ではなく、前年割れする年もある。また、顧客数(サーバー数)ベースでは2.2%減(15年)の330万台と利用者数も減少した。