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ANAファシリティーズ×ANA Cargo、航空輸送をもっと身近に

トラック依存脱却へ、空と倉庫つなぐSORACO

2025年9月29日 (月)

話題2024年問題が提起したトラックドライバーの不足、輸送力の低下が顕在化しており、今こそトラック輸送に頼る物流のあり方を、抜本的に見直すときである。輸送方法の転換、多様化を目指す政府は、鉄道、内航に加えて、ダブル連結トラックや自動運転トラックなどの技術開発を「新モーダルシフト」として提唱、中でも積極的な航空輸送利用を促している。社会的要請として期待が高まるなか、ANAファシリティーズ(東京都中央区)が提供する物流サービス「SORACO」(ソラコ)にも注目が集まる。

▲「SORACO」サービスイメージ(クリックで拡大)

遠距離へも当日輸送、倉庫と空輸一体サービスならではの物流再編を

「SORACOは、ANAファシリティーズとANA Cargoの連携で実現した、貸し倉庫サービスと空輸サービスを一体化した今までにない物流サービス」とANAファシリティーズ不動産事業部SLPM課の戸塚優氏は語る。さらに、ANA Cargo(港区)国内貨物販売部顧客販売課マネージャーの会田翔太郎氏は「輸送コストの見直し、輸送モードの転換につながる航空輸送利用のきっかけとなるサービス」だと付け加える。

▲ANAファシリティーズ不動産事業部SLPM課の戸塚優氏

SORACOは、ANAファシリティーズが管理・サブリース・保有する物流倉庫に入居するテナントに、ANAとの契約締結による国内航空貨物輸送サービスを提供するサービスである。「全国のANA貨物取扱い48空港を基盤に、国内旅客便の貨物スペースを利用して空輸するので、ANAグループの豊富なネットワークを活用した日本全国への物流構築が可能。現在SORACOのHPに掲載されている物件だけでなく、希望のエリアや面積など一から相談に対応して物件を調達することができ、要望によっては、BTSで倉庫を建てることも可能。倉庫と空輸をセットにした最適なプランをワンストップで提案することができるため、物件を探すだけではなく、物流網の再編も気軽に相談してもらいたい」(戸塚氏)と語る。

▲ANA Cargo国内貨物販売部顧客販売課マネージャーの会田翔太郎氏

SORACOを利用することで、一般貨物運賃よりも費用対効果の高い料金設定も可能となる。「ANA Cargoと直接交渉することができ、物量やルートなどテナントごとの希望に応じた、柔軟な価格設定やスペースを確保できる」(会田氏)、より航空輸送を利用しやすい環境を整えた。荷主はANA Cargoの国内貨物ポータルサイト「ANA FLY CARGO!」から、輸送ニーズに合わせて直接予約をすることができる。

サービスの対象となるフライトは10時から17時までの出発帯の国内線旅客便で、長距離輸送でも、当日中に最寄りの国内空港まで貨物を運ぶことが可能となる。航空輸送ならではの強みで、トラックによる長距離輸送や内航輸送では実現できない物流再構築も想定できる。

「SORACOは、ANAファシリティーズの不動産事業とANA Cargoの航空輸送を掛け合わせたANAのグループシナジーを形にしたサービス。例えば、拠点倉庫と物流網を合わせて見直したい、多様な輸送モード活用の拠点を再構築したいといった要望には、希望エリアでの物件調達から最適な空輸プランまで、ワンストップで対応する」(戸塚氏)。もちろん、倉庫内の保管物は航空貨物に制限されることはない。トラック輸送などと併用した施設運用など、既存の物流網を大幅に変更することなく、必要な時に必要な分だけ航空輸送を利用することができる。

航空輸送ならではのリスク対策、高い輸送品質

航空輸送のメリットは遠距離にも当日輸送できるスピード、リードタイムの短縮だけではない。自然災害の激甚化や事故などで、既存の陸海輸送ルートが寸断するような事態に備え、物流を止めないように空路などの輸送手段を確保しておくことは、企業のBCP対策として重要性も増すばかりだ。「実際に7月末のカムチャツカ半島沖の地震では、ストップした海上輸送の代替ルートとして、航空輸送への切り替え需要に対応したという経緯があり、これをきっかけに空輸を初めて活用するケースも見られた。物流を守るために、航空輸送という代替ルートの確保が再検証される機会となったのではないだろうか」(会田氏)

また、多様化する輸送ニーズに対応する輸送品質の高さも航空輸送が優位性を発揮できる領域。温度管理が必要な貨物専用の保冷コンテナや保冷ボックスなども用意するほか、多様な貨物にも柔軟な輸送にも対応が可能となる。「空のあんしんを地上にも」をスローガンに掲げるANAファシリティーズにとっては、まさに航空輸送の品質の高さをより広く利用してもらうことにこだわった物流サービスの提案といえるだろう。

気軽に相談、まずは利用してみることが大切

航空輸送はコストがかかる、と感じている事業者も多いのではないだろうか。「旅客便の空いている貨物スペースを有効利用するというのも狙いの一つ。実際に輸送費用に特化し試算すれば、輸送距離や物量などによっては、トラックなどによる現行の運用よりもリーズナブルといった結果となることも多い」(戸塚氏)と語り、事前のコストシミュレーションなどで検証する機会も設けている。

コストや利用方法がわからず、航空輸送を取り入れていなかった事業者も多いだろう。ANAファシリティーズとANA Cargoは、ANAグループだからこそできるサービス提案で、航空輸送利用への不安を解消し、社会課題である輸送力不足に向けた最適解を提示する。

「これまで航空輸送を利用したことがないという方こそ、航空輸送との接点を作るチャンス。業務効率化とコスト最適化で、拠点と輸送を合わせた抜本的な見直しの検討から、はじめて空輸を試してみるといった取り組みまで、まずは身構えずに問い合わせいただきたい」(戸塚氏)と呼びかける。

先入観だけで航空輸送を排除してしまうことで、企業の物流戦略を窮屈なものにしてはいないだろうか。まずは気軽な相談から、新たな運び方の“可能性”を検証すべきだろう。

▲ANAファシリティーズとANA Cargoが連携、グループのシナジー効果が期待される

SORACOに関するお問い合わせ

SORACOに関するご質問・ご相談は、以下のHPの問い合わせフォームもしくはメールアドレスよりお気軽にご連絡ください。

SORACOホームページ:https://anaf.butsuryuusoko.com/
メールアドレス:souko.madoguchi@anaf.co.jp

ANA FLY CARGO!:https://portal.dmscargo.ana.co.jp/web/P/login

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