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7月から荷待ち時間の記録義務付け、荷主勧告の材料に

2017年5月31日 (水)

話題国土交通省は5月31日、トラックドライバーの業務実態を把握し、長時間労働を改善するため、荷待ち時間などの記録を義務付けると発表した。

荷主の都合で待機した場合、待機場所、到着・出発や荷積み・荷卸しの時間などを乗務記録の記載対象として追加するよう、輸送安全規則の一部改正を同日付で公布した。7月1日施行。

トラックドライバーの長時間労働を是正するためには、荷待ち時間などの削減が欠かせないと判断。荷待ち実態を把握し、そのデータを元にトラック事業者と荷主が協力して改善に取り組むよう促す。国としても、荷待ち時間を生じさせている荷主に勧告などを行う際の「判断材料」とする。

具体的には車両総重量8トン以上、最大積載量5トン以上のトラックに乗務した場合、ドライバーごとに集貨・配達地点、集貨地点への到着日時、集貨地点での荷積み・荷卸し開始・終了日時――など記録し、1年間保存することを義務付ける。

また、荷主の都合による集荷地点などでの待機も「トラックドライバーの過労運転につながるおそれがある」として「輸送の安全を阻害する行為の一例」に追加する。

■条文
(乗務等の記録)
第八条  一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに次に掲げる事項を記録させ、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。
六  車両総重量が八トン以上又は最大積載量が五トン以上の普通自動車である事業用自動車に乗務した場合にあっては、次に掲げる事項
イ 貨物の積載状況
ロ 荷主の都合により集貨又は配達を行った地点(以下「集貨地点等」という。)で待機した場合にあっては、次に掲げる事項
(1)集貨地点等
(2)集貨地点等への到着の日時を荷主から指定された場合にあっては、当該日時
(3)集貨地点等に到着した日時
(4)集貨地点等における荷積み又は荷卸しの開始及び終了の日時
(5)集貨地点等で、貨物の荷造り、仕分その他の貨物自動車運送事業に附帯する業務(以下「附帯業務」という。)を実施した場合にあっては、附帯業務の開始及び終了の日時
(6)集貨地点等から出発した日時
(適正な取引の確保)
第九条の四  一般貨物自動車運送事業者等は、運送条件が明確でない運送の引受け、運送の直前若しくは開始以降の運送条件の変更、荷主の都合による集貨地点等における待機又は運送契約によらない附帯業務の実施に起因する運転者の過労運転又は過積載による運送その他の輸送の安全を阻害する行為を防止するため、荷主と密接に連絡し、及び協力して、適正な取引の確保に努めなければならない。