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シチズンマシナリー、東南ア2拠点の生産能力拡大

2017年9月8日 (金)

拠点・施設シチズンマシナリー(長野県御代田町)は8日、タイとベトナムにある製造拠点を増床し、板金塗装と自動旋盤の土台部分などに使用する鋳物の生産能力を拡大すると発表した。両工場とも年内に着工し、2018年春の竣工と同年夏の稼働開始を目指す。

工作機械業界は、内需に加えて中国を中心とした外需が好調で、昨年末から好受注が続く。同社も足元では過去最高レベルの受注状況となっており、各工場で高水準での生産が持続。好受注に対応するため、タイに板金塗装の新工場棟を建設、ベトナムでは鋳物工場を増床し、東南アジアでの生産能力を拡大する。

板金塗装と鋳物という重要パーツの内製生産能力を拡大することで、それぞれの品質・コスト・納期を安定させるとともに、昨今の旺盛な受注への対応と、中期経営計画達成に向けた安定供給体制を構築していく。

タイ・アユタヤにあるシチズンマシナリーアジアは、同社初の海外工場として01年に設立し、シンコムブランドの自動旋盤を生産する最大規模の海外主力工場となっている。15年に工場を増築し、16年秋からの受注好調を受けて高水準で生産が続いているが、自動旋盤カバー板金の塗装工程は外注比率が高いため、「現在の外注先の繁忙状況を考慮すると、今後の安定確保が課題」となっていたことから、内製化を進めるために新工場棟を建設することにした。

この増床により、塗装能力を現状の月産50台から150台の3倍に拡大。また、加工エリア、組立エリアなども最適な配置転換を行うなど、工場全体のレイアウトも見直す。

■新工場棟の概要
構造:鉄筋コンクリート
増床面積:1925平方メートル
増床後の総延床面積:1万8550平方メートル
投資額:3億円
着工:2017年9月
竣工:2018年5月
稼動開始:2018年7月

ベトナムでは、北部のハイフォンにあるシチズンマシナリーベトナムでフル生産が続き、今後もしばらく継続する見通しとなっていることから、鋳物工場を拡張する。

増産対応に加え、鋳物製造の加工、梱包、出荷工程の動線を見直し、作業効率向上を図る。これにより、鋳物の生産能力を現状の月産350トンから450トンへ3割引き上げる。また、増床工場に食堂・更衣室を新設し、福利厚生を充実させ、従業員の働く環境の改善にも取り組む。

■新工場棟の概要
構造:鉄筋造
増床建屋:建物面積2069平方メートル
延床面積:2416平方メートル
増床後の総延床面積:8816平方メートル
投資額:1.5億円
着工:2017年11月
竣工:2018年6月
稼動開始:2018年8月