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SBS、物流シェアリング「iGOQ」実行段階へ

2017年9月26日 (火)

ロジスティクスSBSロジコムの鎌田正彦社長は26日、東京都墨田区の同社本社で記者会見し、新たな事業の基軸として準備を進めてきた物流シェアリングプラットフォーム「iGOQ」(イゴーク)の事業段階について、開発フェーズから実行フェーズへ移行すると発表した。

車両の動態管理と、「最終的には完全自動を目指す」(鎌田社長)というマッチングプラットフォームとして必要なアプリ版の無償配布と、車両側の情報発信機能を担うスマートフォンを月額2980円でレンタルする取り組みをすでに開始している。これに加え、10月末からはイゴークを使った求荷求車マッチングを開始する。

▲スマートフォンを通じて自社の車両の位置や業務状況をリアルタイムに管理できる

 

SBSグループが運用する車両のうち1000台を含め、まずは2、3000台規模で立ち上げる。最終的には「5万台のトラックによるネットワークが、さまざまな荷主や運送会社が入力する荷物情報を最も効率的に組み合わせて自動マッチングする仕組み」に発展させ、トラックの飛躍的な稼働率アップにつなげる。

物流分野では、IoTを活用したスマートフォンアプリ形式の「求荷求車」マッチングサービスが増えてきているが、ほかのサービスとの違いについて、鎌田氏はイゴークを利用する運送事業者が独立開業した軽貨物などの個人事業者でなく、一般貨物運送を対象とした物流の「本流」を対象とする国内初の取り組みであることを強調。

競合サービスの多くが「契約が成立すれば手数料を徴収する」というモデルを取っているのに対し、利用運送業としてSBSグループが契約に責任を負うビジネスモデルとすることや、荷主にとってニーズに適合する車両があれば「即座に発注」することが可能な点などを他社サービスに対する優位性として挙げた。

▲開発中の管理画面

会見には開発パートナーとしてシーオスの松島聡社長が出席。「世界のすべてのロジスティクスのデジタル化」を掲げ、IoTやAIなどの先端技術の活用に取り組んでいる。SBSはシーオスと組んでイゴークを開発することにより、革新的な技術環境の変化に柔軟に対応できると判断した。

■主な会見質疑

▲鎌田正彦氏(SBSロジコム・SBSホールディングス社長)

――他社が提供するサービスとの違いは。
鎌田正彦氏(SBSロジコム・SBSホールディングス社長):当社のサービスは、利用運送事業として当社が責任を持って引き受けるスタイルだ。安い運賃を求め、「運送事業者を叩いて仕事をさせる」といったことのないのが一番大きな違いではないか。ほかにも、車両を見つけるスピードが早い、システムの利用方法がシンプルといった点も優位性になる。

――宅配クライシスが社会的な話題となっているが、SBS即配サポートがイゴークのような仕組みを使う可能性は。

鎌田氏:宅配事業者から締め出された荷物は軽貨物の事業者に流れているのが現状だ。イゴークは軽貨物を対象としておらず、現時点では宅配と異なるシステムだが、将来的には宅配にも対象を広げていく可能性がある。

――スマートフォンレンタルはすでに開始しているということだが、自動マッチングサービスはいつごろ開始するのか。

▲松島聡氏(シーオス社長)

栗生浩延氏(SBSロジコム):10月末頃のサービスインを予定している。プラットフォームにある程度の台数がないと機能しにくいので、そこを見きわめながら、業界・地域を限定して、当初はスモールスタートでやりたい。

――当面はどのように拡大し、どんな人に参加してもらうつもりなのか。

鎌田氏:保有台数が20-30台の運送会社の多くが、自社車両がどこにあるかわからない状態となっている。そこに無料のイゴークを導入してほしい。そういう動きが広がっていくと、二次利用としてマッチングできる状態ができていく。自社で開発すると多額の費用がかかる。

――SBSの収入は利用運送収入として受けるということだが、どの程度の規模を想定しているのか。

栗生氏:来年6月までに1万台を目指す。毎日、1万台の3%程度の車両が仕事をするイメージ。1日300件の仕事が動いていくことで、年間18億から20億円規模になると考えている。

――発注側は相変わらず、まずはコスト抑制という姿勢だ。イゴークは運送会社の待遇改善に重きを置いているが、そうすると客(荷主)がイゴークに流れないという可能性もあるのでは。

鎌田氏:物流業界はこれまで、運賃を叩いて安くする一方だったが、今は車両の確保が非常に難しくなっている。叩いて安くなるサービスでは、事業が成り立たず、適正運賃で進めなければうまくいかないと考えている。どこかで歯止めをかけねばならない。