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日立が新型コンピュータ開発、都市渋滞を高速処理

2018年6月15日 (金)

サービス・商品日立製作所は15日、都市の交通渋滞の解消やグローバルサプライチェーン上の物流コスト制御など、「実社会の複雑な問題」を高速に解くことにつながる「問題規模に応じてスケーラブルに構成可能」な新型コンピュータを開発した、と発表した。

同社が開発したコンピュータは「CMOSアニーリングマシン」と名付けられ、世界最大規模の10万2400パラメータの問題に対応することが可能。これまで拡張が制限されていたアニーリングマシンの性能を、複数チップの接続技術で拡張できることを実証した。

8月から「最適化問題を課題としているパートナー向け」にクラウドサービスとして公開し、パートナーと共同でCMOSアニーリングマシンを活用したソリューションづくりに取り組む。

▲5キロ四方のエリアでの都市交通最適化シミュレーションの実行例、縦横160本ずつの道路からなる道路網で2000台の車が交差点の端から端までランダムに移動、移動経路の最適化により、混雑箇所を示す赤い点が減少

同社がチップ25枚を接続したCMOSアニーリングマシンを用い、都市の交通渋滞軽減に向けた最短経路探索と並行し、混雑位置を避けるための車両の経路制御のシミュレーションを行ったところ、従来の25倍の面積に相当する5キロ四方のエリアで1台あたりの最短経路探索を数ミリ秒の速度で処理できることを確認した。

この結果を受け、今後は大規模化が可能なメリットを活かして実社会の課題解決に適用していく方針で、8月から一般企業や大学、研究機関などのパートナー向けにクラウドサービスとして公開「ソリューションの協創を図り、社会課題解決に向けた早期実用化を目指す」としている。